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7/26 SAT木道亭

せいかつサーカスTRIO&YAOAO

ゆったりした音の空間を行ききする、”今”ピリッとくる必要な言葉

じりじりと身体に陽が差しているのがよく分かるくらいの、カンカン照り。口を開けば「暑い…」なんてつい言ってしまうのだけど、でも、森林に囲まれたボードウォークに入った瞬間はちょっと自分の中の心持ちが変わる。何て言うのだろうか…風の通り道が分かるその場にいると、どこかふと一息つけるというか、穏やかな気持ちに瞬時にさせてくれるのだ。そして、その穏やかさを倍増してくれるんじゃなかろうか、と期待を馳せながら木道亭へ。ほんのり光も差し込みながら、ちょうどいい具合の涼しさになった時間帯、15時からスタートしたのがせいかつサーカスTRIO&YAOAOである。

このバンド、実は2つのバンドからなっている。1つがボーカル&ギターのKenBow、ベース&コーラスのTsuboyam、鍵盤ハーモニカ&ボーカルのOneeというメンバーで構成された、心と身体にビリビリとラブ&ピースのメッセージを響かせてくれるせいかつサーカス。そして、もう1つが1日目にフィールド・オブ・ヘブンにて、DACHAMBOとして登場してくれた、同メンバーでフロントマンのAO YOUNGとアフロデリックパーカッションYAO BONGの2人からなるアコースティック・ユニット、YAOAOだ。

そんな彼らがコラボレーションした、せいかつサーカスTRIO&YAOAOのライブ。ひとたび曲が鳴り響くと、そのメロディが、そのサウンドが、その言葉が、語りかけるようにスルリと入り込んでくる。何か大きな空間を作っていくような、立体感のあるサウンドに乗り、柔らかさをも滲ませ届けてくれるだけに、聴き手としての印象としてまず優しい感触を受けるのだ。けれど、言葉なんかは特に選び抜かれたシンプルさがあり、それだけではない“いま”必要な歌としても聴こえてくる。

Oneeがリード・ボーカルをとる、初盤に演奏された”アンダバ・ドゥーカ(マダガスカルの島唄)”もそう。「日本も島。それをもっとグッドにするには〜」と、どうさらにプラスにしようか?という意志がしっかり存在している。他にも「みんなのハートが1つになるならベリーグッド」なんて、やはりどこまでもプラスに変換していくためのMCを。必ず演奏する度に曲の意味合いを説明してくれるだけに、初聴でもすぐ彼らの世界に入れるのがとても良かった。

「苗場の海賊たちにこの歌を。出港しまーす!」とAO YOUNGのMCが入ると、続くはYAOAOの楽曲を。さらにほっこり感を醸し出してくれているのは間違いないのだが、先程述べたように〈これから広がる景色に夢を漕ぎだす さあ自由の風 帆に受けて〉という詞の中に潜むメッセージもしっかり響くものがあった。続くせいかつサーカスからの楽曲”Time Machine”、”ビリビリボン”など、セットが進むにつれメッセージ性が伝わってきながら、目には見えない何か、ちょっと魔法がかかったように異空間へと運び出してくれるようなライブだった。

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