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7/26 SATGREEN STAGE

TRAVIS

雨が降っても降らなくても最高だ!

「トラヴィスのライヴは今年3月の来日公演のセットリストから何曲か抜いただけで基本的な流れは変わらないのになんでこんなに感動的なんだろうか」

日が傾きかけ若干過ごしやすくなったフジロック・グリーンステージ。やはりトラヴィスになるとたくさんの人が集まってくる。始まる前はレッド・ツェッペリンなどがかかっていてそれが、ニック・ドレイクの「チェロ・ソング」が鳴ってメンバーが登場する。ヴォーカル/ギターのフラン・ヒーリィは白い髭を蓄え、相変わらずサンタクロースみたい。ギターのアンディ・ダンロップ、ベース/ヴォーカルのダギー・ペイン、ドラムスのニール・プリムローズのメンバーの他、サポートでキーボード奏者が入る編成。

ライヴは「マザー」から始まる。モータウンなリズムの「セルフィッシュ・ジーン」、フランがステージ前に詰めかけたお客さんたちに手を左右に振ることを促して「ラヴ・ウィル・カム・スルー」。フランが客席に降りていって「ホエア・ユー・スタンド」などなど……。「ホエア~」ではお客席最前列にフランの誕生日を祝うメッセージのフラッグがスクリーンに映し出されていた(正確には7月23日が誕生日のようだ)。美しいメロディとフランのやさしい声がトラヴィスの音楽を特徴づける。アンディあたりがやんちゃにギターを弾いても印象はそう簡単に変わらないくらいだ。

お客さんたちが合唱したのは後半の「クローサー」「シング」「ターン」の3連発。みんなが歌えるような歌、心に沁みてきて弱ってきたら支えてくれて、一緒に歩んでいくような音楽。そういう曲をどうしても必要になるときがある。この3曲はそうした人生の中で知った人には一生のものになるだろう。トラヴィスが生で演奏する。それだけでいいのだ。それが高原で聴けるなら最高なのだ。「フラワーズ・イン・ザ・ウィンドウ」では恒例アコースティックセット(ただし今回はキーボードの音入り)。中央のマイクスタンドに4人が集まり、フランを中心に歌う。そしてフランのギターをアンディとダギーで弾くという3人羽織的なこともいつものことだ。最前列あたりのお客さんたちは手に花を持っている人も多い。

そして最後は「ホワイ・ダズ・イット・オールウェイズ・レイン・オン・ミー?」。「なぜいつも僕に雨が降るんだろう?」という曲で前回のフジロックでは雨が降っていたのだけど、今回は完ぺきな晴れ。いやちょっと陰ったので曇ってきたかなと思ったけど、やっぱり一滴も降る気配がない。降らなくてもそれはそれで素晴らしい体験なのだ。野外フェスならではの空気感だ。フランはお客さんをジャンプさせ、たくさんの人たちの身体が揺れる。その歓喜に包まれて、フランは再会を約束しつつステージを後にしたのだった。

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