THE INSPECTOR CLUZO
愛と感謝と轟音にまみれる
22時40分。グリーンステージでは多くの人が今年の最重要アクトに上げるであろうアーケイドファイアのステージが中盤に差し掛かっている。そんな今年のフジロックのハイライトになり得るシーンを裏に、苗場食堂に来る人なんてどれくらいいるのだろう?そんな疑問を胸に開演10分前に苗場食堂に足を運ぶとあまりの人の多さに声を上げて驚いてしまった。アーケイドファイアでもマニックスでもなく、彼らが待つのはフランスが誇る轟音ギタードラムデュオ、インスペクタークルーゾだ!この日の朝一のレッドマーキーでのライブもかなり盛り上がったようだけど、まだまだ足りないと言わんばかりの熱気に溢れたオーディエンスは確実に彼らだけのことを今待っているのだ。
サウンドチェックを終えた彼らがオーディエンスに向けて言った。「今日はみんなのために食前酒を用意しました。フリーなのでみんな飲んでいってね!たくさん用意したから!」。まさかのプレゼントにオーディエンスが湧く。「2009年に初めてフジロックに呼んでもらってから、日本のファンがついてきてくれたことへの彼らからの感謝の気持ちです。」日本人スタッフから改めてこのような説明があった。なんという粋なはからいだろうか。私たちのほうこそ彼らに日本に来てくれるようになってくれてありがとうと伝えたいくらいなのに。こうなったらその気持ちに応えて飲んでめいっぱい騒ぐしかないじゃないか。
もう説明不要な気もするが、彼らの音楽はギターとドラムの2人構成。ファンク、ブルース、ソウルなんかを取り入れた唯一無二のロックサウンドだ。たった2人の全力プレイが激しいグルーブを叩きだし、ゴリゴリの縦ノリをさせたと思ったら、ギターボーカル・ローレントの見た目とは裏腹な(!)甘いハイトーンボイスに急に切り替わったりと、息つく暇のないジェットコースターサウンドが怒涛のごとく攻めてくる、そんな音楽。
それにしても百戦錬磨のこんな完成されたスペシャルなライブをこんなに小さなステージで見せてもらっていていいのだろうか。ここにいる全ての振り切れたオーディエンスは他のどんなステージのどんなビッグアーティストのライブよりも今ここが一番楽しいとキラキラした目で言ってくれるはずだ。迷いなくそう思えるほどのテンションが今苗場食堂にはあって、気がつけばワールドレストランのゲート下のずっと先の方までその熱量に呼ばれるようにびっしりと人が集まっていた。
終盤には度々スタッフをステージに呼び込んで感謝の気持ちを伝えていた彼ら。彼らが愛される理由は決して音楽だけでなく、お茶目で人間らしくて感謝と愛に溢れた人柄によるものなのであろう。ラストのセッションは一生終わらなくてもいいと思えるほどに盛り上がっていた。大満足のライブを見せてくれたインスペクタークルーゾ。11月に(メイビーだけど)来日した際には必ずまた会いに行くね。
posted on 2014.7.26 22:40
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