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7/27 SUNPYRAMID GARDEN

OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND

観客の心に届く歌に込められたあたたかい想い

フジロック3日目は午前11時前から小雨が降り出し、次第に強くなってきた。あいにくの天気にもかかわらず、ピラミッドガーデンには結構な人数が集まっている。ステージ前に陣取るというよりは、みなそれぞれの椅子に座ってサウンドチェックを見守っている感じだ。これから登場するのはブラフマンのTOSHI-LOW率いるアコースティックバンド、オーヴァーグラウンド・アコースティック・アンダーグラウンド。開始時間が近づくにつれ、緑の芝生はカラフルなレインコートで彩られていく。

約20分押しでOAUのメンバーがステージに現れ、最初に演奏したのは1stアルバムから“The Rain”。ところがマーティンが歌い始めると、急に雨がやんでしまった。子憎たらしい苗場の天気だ。優しいメロディーが涼しい風の吹くピラミッドガーデンに浸透していく。後方にあるたき火から、小さな白い灰がまるで雪虫のようにひらひらと前方まで舞い降りてきて、それがまるでOAUの音楽の一部であるかのようでとてもきれいだった。

曲の合間のトークでは、切れが悪いマーティンにTOSHI-LOWが「早く起きろよ!」とツッコミを入れたり、「ウイスキー飲むと胸毛が生えるよ」というマーティンの怪しいアドバイスを受けてジャック・ダニエルで作ったハイボールを持ってこさせたりと、終始アットホームな雰囲気で観客を和ませてくれる。フジロックも3日目とあって少しキャンプの疲れが見えるオーディエンスだったが、「ずっと座っていなくてもいいんだよ?」との一言で一斉に立ち上がり、音楽に合わせて体を揺らし始めた。

中盤に入ると順々に3人のゲストを招いて観客を沸かせてくれた。1人目のゲストはYour Song Is Goodのサイトウ “ジェイジェイ” ジュンで、人気曲“Thank You”をジュンがピアニカを担当して演奏した。続いて、勝手にしやがれの武藤昭平が登場し、ジョニー・サンダーズの名曲“Chinese Rocks”をカバー。最後に出てきたのは、最近OAUがアレンジ、レコーディングに参加したというシンガー・ソングライターの片平里菜だ。 8月にリリースされる片平の1stアルバムのタイトル曲“Amazing Sky”を歌い、澄んだ歌声がピラミッドガーデンに響き渡った。

最後には9月にリリースされるアルバムからの新曲“朝焼けの歌”“Broken Glass”を交えながら、爽やか疾走感が心地いい“Making Time”などを続けて演奏し、オーディエンスも気持ち良さそうに踊っていた。ラストにはTOSHI-LOWが東北への想いをこめた“夢の跡”を歌い上げ、一旦ステージは終了するが、観客の手拍子に応えて再びステージに上がり、2曲のアンコール。雨が降ったりやんだりを繰り返す肌寒い天気ではあったが、ステージから伝わってきたのは歌の力にこめられたあたたかい想いだった。

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