contact
home

7/26 SATORANGE COURT

FANFARE CIOCARLIA

まさしくプロのエンターテイナー!

昨日のカフェ・ド・パリのトリを務めたFANFARE CIOCARLIA(ファンファーレ・チォカリーア)が、2日目はオレンジコートのトリを務める。今年は珍しく雨が降っていないので、オレンジコートの足下は存分に踊れる状態である。

バスドラムのリズムにあわせて、メンバーがステージに上がってきてライヴが始まる。陽気なヴォーカルの声と賑やかな演奏が、楽しいライヴになることを直感的にわからせてくれる。チューバ、バリトン、トランペット、サックス、クラリネット、打楽器と、楽器を立って持ちながら大勢で演奏する姿は迫力がある。メンバーが多いのか、大きな楽器を持っているからなのかわからないが、ステージがいつもより小さく感じた。

オープニング曲が終わると、すぐさまチューバとバリトンと打楽器が、躍動感のあるリズムをきざみ始めた。テンポはかなり速い。そこにクラリネット、サックス、トランペットが軽やかに音色をのせる。曲が進むにつれてそのスピードはますます速くなっていき、まるで早回しで音楽を聞いているようだ。最初はそのスピードを楽しむように踊っていたお客さんも、あまりの速さに戸惑いステップを踏めなくなっている。初めてファンファーレ・チォカリーアを見る人は、これが世界最速最強のジプシーブラス・バンドだと体感したに違いない。そして、ここからテンポの速い曲が続いて、会場の盛り上がりは一気にクライマックスを迎えた。

複数の楽器ができる人が多くいるため、曲ごとにバンド編成を変更している。トランペットが4本になったときのユニゾンは圧巻で、音が身体中を勢いよく突っきった。また、トランペットとサックスを中心にソロ演奏が多くあり、見ている者を飽きさせない。そしてなにより、どの曲も自然と身体を揺らして踊りたくなる曲調とパフォーマンスなのである。ヴォーカルの掛け合いであったり、途中で出てきたダンサーの踊りや演奏者とのやり取りなど、「ライヴを見ているお客さんをとにかく楽しませる!」という気持ちが伝わってくる。それを感じているのか、お客さんはそれぞれ自由なスタイルで、楽しそうに踊っていた。

あっという間に時間が経って本編が終わり、その後アンコールにもしっかりと答えてくれた。だが、これで終わらなかった。ステージ袖にはけたメンバーが、演奏をしながら客席にやってきたのである。すぐに多くのお客さんに囲まれ、行進しながらのストリートライヴが始まった。大盛り上がりの中、お客さんがチップの千円札を演奏者のオデコに次々と貼っていく光景が印象的だった。その周りでは10月に行われる来日講演のフライヤーを配りしっかりと告知をしていた。20分程度の演奏を終えて、今度こそ本当の終演である。

最初から最後までサービス精神に溢れ、見ている人を常に楽しませてくれるおじさんたちは、まさしくプロのエンターテイナーだった。

SAME CATEGORY

page top