THE STRYPES
初出場、堂々のグリーンステージ!
もう昨年から、フジロックのオーガナイザー日高正博氏が「アイルランドにやばいやつらがいて、どうしてもフジロックに出したいんだよ」と言っている声を聞いていた。1年前は残念ながらどうしても都合が合わずだったが、日本ツアー、朝霧ジャム、北海道のジョイン・アライブなどへの出演を経て、やっとTHE STRYPESがフジロックに登場だ。ステージそでには念願がかない、うれしそうな表情で4人を見守る日高氏の姿が。
「THE STRYPES」の黒いバナーが掲げられたステージにメンバーが出てくると、前方につめかけたファンがさらに前へと押し寄せる。みんなこの瞬間を待ちわびていたのだ。”Mystery Man”でライヴがスタートすると、歓声とともにたくさんの腕がつきあげられた。初出場にして、いきなりのグリーンステージ。いくら怖いもの知らずの10代とはいえ、少しはね……と思いきや、どうだろうこの堂々たる立ち姿は!広いステージを存分に使って動き回るギターのジョシュ・マクローリーに煽られるように、序盤からサークルモッシュが起こり始めた。
物怖じしないステージングはこれまでもあちこちで言われてきたことだけれど、昨年の日本ツアーの時よりさらにグレードアップしているようだ。リード・ヴォーカルのロス・ファレリーの歌も厚みが増している。グリーンステージの広いフィールドに響く力強い声は、観客を磁石のように引き寄せる。以前はどこか「子供が憧れの大人のマネを上手にしている」ようなところもあったけれど、今のTHE STRYPESはしっかり自分たちの音楽を構築してきている。
“Got Love If You Want It”でベースをハーモニカに持ちかえたピート・オハンロンがセンターに立った場面も見せ場のひとつだった。「ここの主役はオレ!」とばかりに髪を振り乱しながらハーモニカを吹き鳴らし、ステージ前方まで出てきて、観客に見えを切ってみせる。曲の後半、ドラムソロではエヴァン・ウォルシュも負けじと存在を主張。こうやってメインヴォーカル以外でもセンターがはれる、それぞれがキャラだちしているのもこのバンドの魅力だ。
もう一度ロスがセンターに戻り、ハンドマイクで歌い始めた後半の勢いは圧巻だった。”You Can’t Judge A Book By The Cover”ではファンがいけそうだと見るや、自分はマイクをはずし観客にサビを歌わせ、”Blue Collar Jane”ではダイバーを続出させた。最後は”Heart of The City”でステージも客席も存分に力をぶつけ合い、興奮の渦のなかライヴを締めくくった。
ステージから去り際にちらっとサングラスを外してみせたロス、「またすぐに戻ってくるよ」と約束してくれたジョシュ。日本のどこかで、そして来年の苗場で、また彼らに会いたいと思った人は少なくないはずだ。空へと目を移すと、スタート時にはポツポツ降っていた雨はすっかり止み、青空が見えていた。THE STRYPES旋風が雨雲をも吹き飛ばした。
posted on 2014.7.27 15:50
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