THE VACCINES
駆け抜けた爽快感
雨が心配されたフジロック1日目、曇りがちで時折小雨も降るのだけど、天候はなんとかギリギリ持ちこたえている状況。気温が徐々に上がって蒸し暑さを感じてきた昼、グリーンステージの二番手のバンドとして、ザ・ヴァクシーンズが登場した。
ステージ背後には、赤一色の幕が垂れ下げられている。ヴォーカル&ギターのジャスティン・ヤングは太いボーダーのシャツを着ていて、他のメンバーたちは白、もしくは白に準じるようなシャツという出で立ちで、背後の赤の前に非常に映える。
さらにジャスティンは白いアコースティック・ギターを持ち(そこで「TV番組の景品でもらえる!」と反応した人は年齢がバレますね)、まずは「Handsome」でライヴが始まった。2曲目は「Wreckin’ Bar (Ra Ra Ra)」を早くも披露する。軽快に飛ばしていくロックンロール。彼らの音に誘われて、徐々にステージ前の人口を増やしていく。
ジャスティンは、今年ステージに作られた凸型の張り出し舞台に立ちお客さんを煽ったり、ステージに寝っ転がって歌ったりと、自由な姿をみせていた。選曲は1stアルバム『What Did You Expect From The Vaccines?』が多め。当然、新しいアルバム『English Graffiti』からも演奏されて、グリーンステージのスケール感に相応しい、歌い上げる曲「Give Me a Sign」や今までのヴァクシーンズのイメージを裏切らない「20/20」など、ファンの求めるヴァクシーンズ像をみせてくれた。
一番の盛り上がりは、ヴェンチャーズのようなイントロを持ち50年代のようなロックンロールである「I Always Knew」から、「If You Wanna」に突入しイントロが鳴ったところだった。シンプルでノリよく疾走する曲、蒸し暑い高原にそよ風をもたらす。最後は「Norgaard」だった。彼らが去ったあとに残ったのは爽快感だった。