ゲスの極み乙女。
満員御礼!ゲス極ダンスホール!!!
リハーサルもまだ始まっていないのに、すし詰め状態のレッドマーキー。今最も注目を集めている若手バンドと言っても過言ではない、ゲスの極み乙女。。興味本位、というか高みの見物としてこのステージに訪れた人も多かったのではないだろうか。
不穏なピアノのメロディーと共にゆっくりと姿を見せた彼ら。まずは自己紹介と言わんばかりに始まった”星降る夜には花束を”。「左手にはあなたが捨てたもの 右手にはあなたからの愛を」という部分では、左手と右手を交互に掲げる人が数多く見られた。
そして、”サイデンティティ”と先月リリースされたばかりの”ロマンスがありあまる”が後に続く。細かいビートながらもグルーヴ感溢れる骨太なビートを刻む、ほな・いこか(Dr)。縦横無尽、アグレッシブで個のセンスが生きる演奏をする、ちゃんMARI(Key)。川谷絵音(Vo&Gt)のか細いながも全てを飲み込んでしまいそうな歌声。そして、ゲスの極み乙女。はこの男がいないと語れない。何が起こるか分からない予想不可能で複雑な楽曲を、どっしりとしたリズムで支える、休日課長(Ba)。次々と曲が展開されていく中で、各々の強烈すぎる個性がきらきらと光っている。
“パラレルスペック”、“私以外私じゃないの”、”市民野郎”、”ルミリー”と、普段のライブとは一味違ったセットリストが続き、彼らのフジロックに対する意気込みが伺える。歓声やモッシュが沸き上がる観客との息もバッチリ。曲と曲の繋ぎ方、会場の盛り上げ方は、スターの風格すら感じられる。
「最後の曲になります!」という川谷の声を合図にして始まった”キラーボール”。頭上のミラーボールが綺麗に回っているレッドマーキーの場内は、まるでダンスホールのよう。観客からは彼らの勇姿に応えようど、クラップハンズに歓声もあがる。「たった今分かったんだ」という歌詞の部分では、まるでワンマンライブかのような大合唱。川谷が自ら観客側へと赴き、自らライブを盛り上げたり、休日課長とステージ上を行ったり来たり。そして、ちゃんMARIのキーボードをいたずらしたり、3人で弾いてみたりと、キュートな一面も見られた。演奏後、「フジロック最高!」と言い、深々とお辞儀をする川谷。初出演のフジロックは大成功に終わったのではないだろうか。
今日のような湿度の高い超満員のレッドマーキーはまるで蒸し風呂のようで、ライブが終わった後の観客はみんな汗だく!ゲスの極み乙女。に、狭いステージは似合わない!今度はホワイト…いやいや、グリーンステージでのびのびと演奏する4人が見てみたい。