SHOKA OKUBO BLUES PROJECT
現代に生きるブルースの女王
昨年のルーキー・ア・ゴーゴーでも20代前半とは思えない貫録ある演奏と凄まじいパフォーマンスを見せてくれたことが記憶に新しい、ショカ・オオクボ・ブルース・プロジェクト。今年は、ジプシー・アヴァロンの大トリを務める彼女達。1年間の成長を経て、どのような演奏を見せてくれるのだろうか。
今からあれほど攻撃的なライブをするとは思えない、可愛らしいワンピースに10cmはありそうなヒールを履いて登場する、大久保初夏(Vo&Gt)と芹田珠奈(Ba&Vo)。始めの曲はしっとりとした日本語詞の曲を一つ。去年のルーキーでもショカ・オオクボ・ブルース・プロジェクトのライブを見ているのだが、彼女達の楽曲で日本語詞は珍しいのではないだろうか……。これから広い海での航海が始まるようなその曲は、大久保初夏の歌と勇ましいギター、其原誠元(Dr&Vo)の破壊力満点のドラムが生かされている。100点満点のキュートな笑顔を見せる芹田珠奈は、その笑顔に似合わないほどエグいベースを弾き続けている。「中におっさんでも入っているのか?」と疑いたくなるような確かな演奏力に乗せられた、ビブラートのかかった歌声が、夜のアヴァロンに響き渡る。
大久保初夏のメンバー紹介と共に、「そこにいる方々も是非前の方、いかがですか?今なら私のココ、空いてますよ!」という芹田珠奈の笑いを取りつつもたどたどしいMCは、今までのライブとは異なり20代の若者らしい。
そんな微笑ましいMCを挟んだオリジナル曲の数々は、時には泣くようなギターソロを、また時には力強いドラムのリズムに合わせてスラップを利かせた唸るベースを、ステージを照らすスポットライトのように色鮮やかな表情を見せてくれた。
本編は大盛況のうちに終了し、アンコールにも応じた彼女達。最後までキレッキレで圧倒的なライブだった。ステージを去る際、「これからもブルースやっていくぞー!!!」という大久保初夏。来年も再来年も、フジロックの舞台で更に大きくなった彼女たちの姿を見てみたい。