電撃ネットワーク
驚愕!爆笑!電撃ネットワークは不滅です!
結成25周年を迎えた2015年は、電撃ネットワークにとって大きな節目となる年になった。メンバーの三五十五が3月に肺がんで亡くなるという悲しい出来事を乗り越え、電撃ネットワークの独立、会社化を発表。若手育成にも力を入れると宣言した。「新生電撃」がどう進化していくのか、気になっていた人も多かったに違いない。
4回目、13年ぶりとなる今年のフジロックは、3日目のレッドマーキーに23時から出演。グリーンステージではまだノエル・ギャラガーがライヴ中とあって、満員のレッドマーキーというわけではなかったが、それでもステージ近くは既に異様な熱気に包まれていた。時間ぴったりにステージが暗転すると同時に流れ出したドラム音に合わせて、大きな手拍子が沸き起こる。そこへグライダーで火花を散らしながら、電撃ネットワークが登場した。南部、ギュウゾウ、ダンナの3人の他、若手が4人にDJという構成だ。オアシスの“Don’t Look Back In Anger”のサビを鼻歌で歌い、観客の笑い声のなかステージがスタートした。
正直、電撃ネットワークのパフォーマンスをじっくり見るのは初めてだったので、冗談抜きで度肝を抜かれた。筆が止まるほど、クレイジーなパフォーマンスの数々から目が放せなかった。ドライアイスを食べて鼻から煙を出したり、牛乳を鼻から飲み目から出したり、生きたサソリを口の中に入れたりという鉄板ネタが盛り上がるのはもちろんのこと。さらにお尻でサボテンを割ったり、スタンガンを口でくわえたり、といった過激な芸を次から次へと繰り出していく。もちろんネタの合間には、「オイ!オイ!」と音楽に合わせて、掲げた両腕を左右に揺らすことも忘れない。近くにいた外国人も、信じられない!という表情で爆笑しながらステージに見入っていた。TOKYO SHOCK BOYSとして海外でも高い評価を受ける彼ら。身体を張った芸を楽しむ気持ちは万国共通である。
どの芸も驚愕ものだったが、クライマックスを挙げるとしたら、ラストにパフォーマンスしたドライアイス爆弾だろうか。ドライアイスを入れた2Lペットボトルに熱湯を注ぐと、しばらくしてペットボトルがぷーっと膨れて爆発する。それをギュウゾウが背負い、隔離された空間で爆発を一身に受けるというものだが、1度目は不発弾で爆発しなかった。ギュウゾウが「ライヴ感ありますねー!」と流そうとすると、観客から「もう1回!」という声が多くかかり、再び挑戦することに。爆発のインパクトも強烈だったが、みんなで耳を抑えながら爆発を待っている時間がおかしくて、笑いが止まらなかった。
今年もさまざまな素晴らしいライヴが繰り広げられたフジロック。最後の最後で、電撃ネットワークの圧巻パフォーマンスにすべて持っていかれた感が否めない。