• Twitter
  • Facebook
  • Instagram
SEARCH
  • Twitter
  • Facebook
  • Instagram
 
 
  • Twitter
  • Facebook
  • Instagram
SEARCH

FUJIROCK EXPRESS 2018

  • Twitter
  • Facebook
  • Instagram
SEARCH

LIVE REPORTWHITE STAGE7/27 FRI

PARQUET COURTS

  • PARQUET COURTS
  • PARQUET COURTS
  • PARQUET COURTS
  • PARQUET COURTS
  • PARQUET COURTS
  • PARQUET COURTS
  • PARQUET COURTS
  • PARQUET COURTS
  • PARQUET COURTS
  • PARQUET COURTS
  • PARQUET COURTS
  • PARQUET COURTS
  • PARQUET COURTS
  • PARQUET COURTS
  • PARQUET COURTS
  • PARQUET COURTS
  • PARQUET COURTS
  • PARQUET COURTS
  • PARQUET COURTS
  • PARQUET COURTS

© Photo by 平川啓子© Text by 三浦孝文

Posted on 2018.7.27 17:38

ロックンロールバンドのあるべき姿

太陽が照りつけまくる、昼下がりのホワイト・ステージ。これから登場するのは、米国、ニューヨークはブルックリンを拠点に活動する4人組パンクバンドのパーケイ・コーツだ。2014年にレッドマーキーに出演して以来の苗場帰還となる。本国ではピッチフォークなどに評価され、「ワイヤーの再来」とか「第二のストロークス」と称される人気バンドなのだが、この時間帯の出演で、開演前とは言え、まだまだ入りが少ないところを見る限り、日本ではいまひとつの知名度といったところだろうか。

「寄木細工の床でできたバスケットボール・コート」という意のバンド名からしてインディー・ロック感満載だが、ブラック・フラッグなどの80年代USハード・コアとグランジ以降のインディー・ロックの影響下にあるローファイ感がたまらないバンドだ。プロデューサーのデンジャー・マウスの成果もあり新機軸を打ち立てた新譜『Wide Awake!』を引っ提げてのどんぴしゃのタイミングでのフジロックのステージとなる。

親指を突き上げ登場したオースティン・ブラウンを先頭に、メンバーの4名が颯爽にステージに姿を見せた。ズシッ!と入りのフレーズをバンド全員で出力し、『Wide Awake!』からのリードトラック‟Total Football”でキックオフ。中央に陣取るベーシストのショーン・イートンがのっけから頭を振りまくりグラサンを飛ばしてしまう。バンドのリーダーであるアンドリュー・サヴェッジが自国アメリカの現況に対する怒りをぶちまけるかのような雄叫びを上げる。自由奔放に唸りまくるベースの重低音にライヴならではダイレクトな生々しさ体感し、身体が自然と前のめりにステージに引き寄せられていくのだ。

「コンニチハ!ニューヨークから来ました!」とアンドリューが日本語で挨拶すると、オースティンが60年代のヴィンテージなサイケデリアをキーボードで気だるく響か‟Dust”がはじまった。うだるような暑さに拍車をかけるような音。バックのドラムとベース重たいビートの連打が、エンドレスに曲が続きそうな錯覚に陥ってしまう。とてもドラッギーな一幕だ。間奏部でのオースティンによるリヴァーヴを効かせた煙たいギターソロも、サイケデリアを醸成する上でいい塩梅のスパイスの役割を果たしていた。

続いて投下されたのは、アンドリューの性急ながなり声から疾走する‟Almost Had to Start a Fight/In and Out of Patience”。ヴァースから加速するパートは、インディー・ロックやパンクロックのファンには悶絶もんのカッコ良さだ。2014年のフジロックに出演した当時の3枚目のアルバム『Sunbathing Animal』の頃に、SXSWで彼らのステージを観たが、その当時とは比べ物にならないほど格段にタイトな演奏になっている。バンドの一体感から来るグルーヴに一段と磨きがかかった感じだ。

そして、個人的に大好きな楽曲のひとつ、‟Freebird II”。その名のとおり、レイナード・スキナードへのトリビュートなのかもしれないが、 個人的にはヴェルヴェット・アンダーグラウンドの‟Rock And Roll”に対する愛ある回答のように思えた。耳馴染みの良いメロディーに心躍る。ぎこちなくお辞儀をして締めくくったのも彼ららしくて愛らしい一幕だった。

ダビーにエコーするビートが絡む新機軸、‟Before the Water Gets Too High”を披露した後、とぐろを巻くようなグルーヴが凄い‟Master Of My Craft”からそのままポップなパンクチューンの‟Borrowed Time” という、彼らの名を知らしめた名盤『Light Up Gold』とまったく同じ流れ、そのカッコ良さに思わず手を叩いて歓喜してしまう。2本のギターから敢えて出力されているというべき、チープでヘタウマな音がたまらないのだ。

‟Pretty Machines”のポップネスに感じ入り、パーカッショニストが登場して、ファンクの底なし沼に誘うかのような‟Wide Awake”でぶち上げる。アンドリューが随所で入れてくる吹き荒れる轟音ギターも良いスパイスで、パーケイ・コーツならではのファンクネスに仕上げている。中盤でオースティンがホイッスルを軽快に鳴らし、サヴェージはパーケイ・コーツのタオルを掲げてオーディエンスを煽る。タイトル通りの完全に目が覚めているような、楽しすぎる時間、場を創り上げてくれた。

アンドリューの「フジロック、元気?」と気だるく‟One Man No City”のギターリフが刻まれる。オースティンのラップや、鼓のような電子ドラムが軽快に入って10分を優に超える怒涛のセッションに突入。オースティンがアンプに向かってギターを振り回してノイズを撒き散らすわでやりたい放題。そのバックを支えるリズムセクションも喧嘩腰な感じで、顔面を小突かれているかのような硬いビートが真っ直ぐに飛んできた。

ラストは軽快にかっ飛ばすパンクチューンの‟Light Up Gold”で潔く締めくくった。良いメロディーと媚びないスタイル。言いたいことを言い、やりたいことをやり尽くすスタンス。ロックンロールに必要なものはすべてそろっているバンドのステージだった。このまま、どんどん突き進んでほしい。

[写真:全10枚]

#TAGS : 7/27 FRIWHITE STAGE

VOICES