毎年、前夜祭の20時頃になるとフジロックでは花火が上がる。タイムテーブルには載っていないが、常連にはおなじみの光景だ。

オアシスには「去年の何倍なんだ！？」とも思えるくらいの沢山のお客さん。花火のカウントダウンが始まり、今年も待ちに待った花火が上がる。面白いのが、さすが音楽ファン、花火の大きさによって歓声の大きさが変わるということ。
「何回見ても『フジロックが始まった』と思う」と列の後ろに並んでる人が話していた。

誰がどこから来たかも関係なく、みんながいっせいに空を見上げて、同じ光を見上げている。その時間は「誰がどこの人か」なんて関係なく、全員が同じ方向を向いて、同じリアクションをしていた。それがすごく嬉しかった。
　
フジロックが終わり、現実に戻って誰かとすれ違うとき、「この人も同じ花火を見たかもしれない」と思えたら、それはきっと、小さいけれど心の救いになると思う。