宴の始まり「カンパーイ！」

「カンパーイ！」ボーカル兼ダンサーのローナ・トーマスの一声でフジロッカーズに火が付いた。金曜日のカフェ・ド・パリ、土曜日のフィールド・オブ・ヘブンへの登場が予定されているスキニー・リスターが前夜祭、レッド・マーキーに登場した。

毎年恒例のレッド・マーキー前夜祭の集合写真だが、今年はスキニー・リスターの面々も加わってくれた。写真撮影でバンドとオーディエンス両方のテンションが上がった中、「トラヴェラーマン（Trawlerman）」「カラーズ（Colours）」とテンポの速い曲を休む間もなく演奏。その間、ローナはダンサーとしてステージ上で踊りまくっていた。

彼らの人気曲「ローリン（Rollin’）」では、ギター兼ボーカルのダニエル・ヘプティンストールがストンプ・ボックスを踏み鳴らす音に合わせて、フジロッカーズたちも思わず手拍子や足踏み、掛け声で参加する。そこにマックスウェル・トーマスのアコーディオンの音とスリム・ブラックのマンドリン、マイケル・カミーノのベースが重なる。その繰り返されるリズムに合わせてレッド・マーキー中が幸せそのものといった顔で踊っていた。

最後はスペシャルゲスト「スキニー・シスターズ」として10人のフラダンサーをステージに招き入れ、全員で踊り、祭りの雰囲気満点だった。曲の終盤でローナはステージから10メートルほど離れたオーディエンスの中にいた。それを見たマイケルも負けじと観客めがけてダイブ。これにはみんな大満足だった。

ステージを去る時にローナが手にしたフリップには「この後、22：30から」「ライブ＆サイン会」「(ガンバン・ステージで)やるわよ！」とあった。そのフリップを投げ捨て、缶ビールに持ち替えてステージを後にする。最後の言葉は、もちろん「カンパーイ！」だ。

スキニー・リスターは、今年のフジロックで最も注目されるバンドの一つ。明日から始まるフジロック本編でも、神出鬼没の彼らから目が離せない。