新制QUATTROここに完成!?
フィーダー、オアシスなどの前座を始め、国内外からも注目を集めていたクアトロがルーキーアゴーゴーをへて、ついにレッドマーキーに登場だ。2013年フジロックの初日、そしてそのトップバッターを飾る。まばらかと思われた観客もやはり1年ため込んだ興奮を発散させるべく、開演前からたくさん集まり始めていた。また、オリジナルメンバーの潮田の復活、中島の代わりにベースで正式加入した元リディム・サウンターのハマを迎えるなど、数々のメンバーチェンジをし、今の形となった新制クアトロ。フジロックでどんなステージを見せてくれるのか。そんな期待も相まって出番を待つ観客からはその興奮がみなぎっているようだった。
開始5分前にメンバーがステージに上がる。ドラムのカディオを先頭にそれぞれが顔を出す。それと同時に待っていた観客から歓声が上がった。ヴォーカルの岩本はすぐにマイクの前には立たず、少し背を向ける格好でシンセを奏で始め、全員の音が一つに合わさっていった。少し早い登場に不覚を食らった観客も多かったのだろう。後方から焦るように走り込んでくる様子が目立っていた。まず始めに感じたことは、観客の元気さ。ダンサブルな曲が始まれば、体を縦に揺らし、ミドルテンポのポップな曲が始まれば横に自由に揺れる。その光景に、ああ今年もフジロックが始まったんだな、と少し感慨深
くもなりつつ、心の興奮はどんどん高まっていくのだった。当のクアトロというと、前述の”2013年フジロックの一発目レッドマーキー”という大役に気負いもせず、堂々とそして楽しそうに演奏していた。
特筆すべきは、カディオのタイトなドラムとハマのうねるベース。ハマに至っては、つい最近加入したとは思えないほど息が合っていて、またカディオのタイトなドラムが、最近のクアトロの楽曲にとてもマッチしていたと思う。ライブ中盤、潮田と岩本がメインのヴォーカルをとる”ほどけた靴ひも”では、日本語が起用される(クアトロは基本的に全歌詞英語が多い)など、新しい一面もかいま見え、クアトロの進化を著しく見ることができるライブだったのではないか。まだ始まったばかりの新制クアトロ。それでもここまでのクォリティなのだから、今後どうなってしまうのか、期待せずにはいられない。
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