渋谷系復活はお隣の国から!?
渋谷系が流行して早十数年。その間に渋谷HMVは撤退し、王子と呼ばれた人には子どもが生まれ、その相方は離婚。嗚呼…時の流れというものは、なんと残酷なものなのか。けれども、肩を落とすことなかれ、全国の元オリーブ女子たちよ。時代を築いた音楽というものは、形を変えながらも確実に次世代へ受け継がれていくものであることを、今日韓国からきた二人組がそれを証明してくれたのだから。
ステージにあがったのは、さっぱり整えられた黒髪に眼鏡にこざっぱりした服装という出で立ちの二人。「ボクタチノ ハジメテノ カイガイデノライブヲ フジロックデ ヤルコトガデキテ ホントウニ ウレシイデス」と、日本語の単語のひとつひとつを丁寧に確認するように発音する様子も含めて、なんとまぁ粋培養な渋谷系男子だこと!
彼らの楽曲は大きく2つに分類できる。ひとつは女性ボーカルをゲストに迎えた超王道の渋谷系サウンド。そしてもうひとつは、直近のアルバムで特に強い傾向なのだが、彼ら自身がボーカルをとり、よりギターの音が前面にでた、パワーポップサウンド。今回はゲストボーカルなしの編成だったので、後者のロック色が強いライブとなった。彼らのコンセプトが「憂鬱な人たちにペッパーのようにポジティブな刺激を与えるバンド」ということで、確かに純粋すぎるほど前向きでストレートなポップソングだった。彼らの丁寧なMC同様、メロディのひとつひとつを大切にしているように思った。
残念ながら集まったお客さんの数は決して多くはなかったけれども、ライブを重ねて認知度さえあがればすぐにでも日本で人気がでそうに思う。実際に、最前列には熱狂的なファンがいたようで、たびたび黄色い歓声があがっていた。次回は是非、ゲストボーカルをいれた編成での超王道渋谷系のステージを期待したい。
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