新古典派?ハードロックは最強のエンタテインメントロック
2010年代のイギリスのバンドがどういう文脈やバックボーンでもって、こうした新古典主義的なハードロックバンドをやるのか?正直、作品だけだとよくわからない部分もあったのだが、ライブで久々に素のギブソンの音の良さや、アンプの自然な歪み、キャッチーで重いリフなどを聴くと、もしかしたらハードロックというのはロックの中でも最高・最強にエンタテインメントなロックなんじゃないかと思えてきた。もちろん、それは彼らの曲が凡長じゃなく、エキスだけを投入したような潔い構成でできているせいももちろんあるのだが。
タンクトップにフレアジーンズといういでたちのボーカル/ギターのジェイムと、ブロンドのロングがいかにも!なギタリスト、ビルがファッションも含めてどっぷり70年代ブリティッシュハードロックやジミ・ヘンドリックス的なブルージーなテイストを身体に染み込ませているとしたら、ベースのダグラスはちょっと今ふうなヘアスタイルも相まって(これは先入観もちょっと入ってるかもだが)、ポストロック的な構築美も通過してきたベーシストに見える。だがその指弾きが創りだす豊かに歌うベースラインや時にはパーカッシヴなベースが、いい意味で古典的なこのバンドにシャープな印象を与えているのはまちがいない。ドラムのスチュアートは時に、ボンゾちっくなタムなんかも入れるのだが、基本的にシンプルな8ビートのハードヒッターといった感。
ハードでセクシーなリフが創りだすグルーヴィなブギーは、若いフジロッカー以外にも他所から流れてくる年季の入った元ロック青年の足も止めるのだが、決まってそういう人ほど「なんで今これなんだ?」という表情もしくは「いいんだけど、ふふふ〜」みたいな、自分もこういうリフやソロを弾いてたんだぜ、といわん
かりのリアクションを見せて足早に去っていくのがかなり面白かった。
レッド・ツェッペリンもしくはザ・ビートルズの「カム・トゥゲザー」を思い出させる、本当に「ハードで」「ヘヴィな」ロックが必要とされ発明された頃のピュアネス。持ち時間45分を超過し、「もうちょっとやっていい?」というアクションでスタッフに要望を出し、トータルで約1時間弱、14曲(!)をヘブンにブチかました4人。リリースが予定されているニューアルバムからも数曲演奏してくれたが、基本的に路線は不変かも。いやとにかく久々にレスポールJr.の、そしてSGの音を聴いた!って感じです。
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