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Posted on 2013/07/26 20:10
  • ライブレポート
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GARY CLARK JR.

ヘブンとブルースの神様

スティーヴィー・レイボーンやジミ・ヘンドリクスの正統な後継者として騒がれているゲイリー・クラーク・ジュニア。ホワイトハウスでのライブや、2010年のクロスロード・ギター・フェスティバルで、エリック・クラプトンやジェフ・ベック、BBキング、バディ・ガイなどのそうそうたるメンバーと共演するなど、ブルース・ロック好きなら垂涎ものの肩書きをもつ。また、今年の初めに初来日を果たしており、成功を収めている。前書きはこのくらいとして、フィールドオブヘブン、トリ前は、とんでもない事になったのだ!

夕方までの晴れが嘘のように、雨足が強まってきた。ほとんどの人がポンチョやカッパを着込み、色とりどりの人たちで飾られたフィールドオブヘブン。そこへ突如歓声が上がる。ゲイリー・クラーク・ジュニア(以下ゲイリー)の登場だ。ゲイリーはゆっくり首を振りながらリズムを取りギターを鳴らし始めた。なだらかなスローテンポのシャッフルから。雨すら心地よくなるほどのブルースがフィールドオブヘブンを包んでいった。1曲目は1コード構成(一つのコードで1曲)の実に男らしい一曲。僕個人的な意見となるが、1コードの曲というものは、中盤であきてしまい中だるみすることが多々ある。しかしゲイリーの弾くギターはとても多彩で、リズムの取り方も実に面白く、ずっと聞いていられるのだ。中だるみどころか、どんどん気持ちよくなっていくほど。

2曲目には、サポートのギターとソロ合戦。笑顔のゲイリーは、アイコンタクトでサポートギターのソロを止めさせず、ずっと弾かせて楽しんでいた。このライブでは、セッション時のアドリブの部分がよく見てとれ、エンターテイメント的にも楽しむことができた。そして3曲目。お待ちかねの『Blak And Blu』から、“Ain’t Messin ‘Round”。おなじみのアンセム曲のイントロが流れると、降りしきる雨にも負けず、観客は一斉に踊り出したのだ。

ライブ中盤、ドラムとベースのリズム隊だけでセッションが始まる。一旦上手にはけたゲイリーが再び登場し、ピックスクラッチ(ギターの弦をピックで削る奏法)でそのセッションに参加。ゲイリーはさすがのリズム感でDJさながらのスクラッチがリズムに乗っかり、セッションに拍車をかけていた。セッションが終わると、これから後半戦と言うかのようにスローテンポのブルースが演奏され始める。この頃になると、さっきまでの大雨が嘘のようにあがり、星も顔を出すほど。いつもの山の気まぐれか、ゲイリーの力か。

世界で認められたブルースマンはさすがの演奏力で、最後まで観客を飽きさせることなく、1時間10分のステージをやりきった。しかし、今回はサポートを含め4人の演奏。もちろん少人数だからこその素晴らしさはあるのだが、アルバムを聴いて予習してきた人にとってはちょっと物足りなかったかもしれない。アルバムにはさまざまな楽器が使われていてとてもゴージャスなのだが、上記のアンセム曲をはじめ、4人用にかなりアレンジされていた。コーラスワークもゲイリー自ら唄っていたので、息が続いていなかったり。再来日がもしあるならば、大所帯のゲイリー・クラーク・ジュニアも見てみたい。

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