いつまでも子供でいたい大人たちのための祭典
泣く子もだまるギター職人、チャー(Char)がホストするジャム・セッション、チャー〜ジャム・ナイト〜。今年のフィールド・オブ・ヘブンに登場したチャーは、ジャムセッションという形で数々のゲストとの共演を繰り広げた。
夜9時過ぎのフィールド・オブ・ヘブンは雨。みんなずぶ濡れになりながら、まずは準備体操とばかりにザ・スパイダースの「バンバンバン」を演奏する。オーディエンスを温めようと「バンバンバン」のコール・アンド・レスポンスを繰り返しているうちに、チャーがひとこと。「なんだかドリフみたいになってきたな。」
ゲストギタリストとしてまず最初に登場したのは、シアターブルックの佐藤タイジ。なんと前日の朝に女の子が生まれたそうで、お父さんになって初めてのステージがここフジロック。会場の全員から「おめでとう」のコールが起こり、佐藤は嬉しそうに応えていた。
続いて元シンプリー・レッドのギタリストであり、明日のバスカー・ストップに登場予定のケンジ・ジャマーこと鈴木賢司が登場。エレクトリック・シタールを、チャー曰く「怪しい」風貌で絶妙に演奏した。また、チャーから「おじさん」と紹介された奥田民生も登場し、独特のスタイルでギターソロを披露した。この頃には雨は土砂降りとなり、近くで雷が何度も光っていた。
元RCサクセションのチャボこと仲井戸麗市は、チャーが17歳の時から知っている「幼なじみ」のようなもの。セッションを終えたときにチャボがチャーを「日本のロックの宝」と紹介すると、チャーはチャボのことを「日本のロックの…文学少年!」と紹介していた。
そのほかにもエディ・ロバーツや、紅一点、福原美穂もゲスト出演し、今宵のジャムセッションに花を添えていた。最後にはWarの「シスコ・キッド」の替え歌で「フジロック・キッド」を全員で合唱し、それぞれのギタリストがギターソロを競い合った。
アンコールではローリング・ストーンズの「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」をチャボと一緒に演奏し、押しくらまんじゅう(!)のように背中で押し合いながらギターを弾くふたりは、まるで子どもそのものだった。2時間半におよぶセッションが終わるころには雨もやみ、月が雲の隙間から顔をのぞかせていた。
*一部アーティスト名表記に誤りがあったことをお詫びします。
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