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Posted on 2013/07/27 01:30
  • ライブレポート
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ENTHRALLS

劇場型ピアノロックの正体

初日のルーキー3番目の登場は、大阪出身、今は活動拠点を東京へ移しているENTHRALLS。ボーカル、ピアノ、ベース、ドラムの4人編成のバンドだ。昼間の暑さから一転、ぐっと冷え込んできた証拠に目の前で歌を発すると、白い息が見えるくらいだ。暑さと雷つきのどしゃぶりに見舞われたフジロッカーズの夜はまだまだ続く。噂のバンドを観ようと集まった人たちだけではなく、そろそろ、初日の疲れを宿へと足を向かわせるフジロッカーズの足を次々と止めさせていた。

劇場型ピアノロック…その言葉から連想する音とは、いい意味で裏切られた。ピアノが誇張され制御不能な偏りの強いものではなく、むしろ、ボーカル、ピアノ、ベース、ドラムが互いに個性をつぶすことなく、散らばることのない一体感を出していた。

ボーカル井上の36.5℃とはいかなるものか? ステージを観る前から楽しみだったこのキーワードの答えは、頭のてっぺんから、つま先、指先の一本一本までの一挙手一投足が研ぎすまされ、一寸のブレもない、1ミリのよどみもない声そのものだった。

「まだまだいけるから! ルーキーをなめるなよ! まだいけるか? 聞いてちょうだいよ」と挑発するかのような発言も、この堂々たる演奏には、こちら見ている側にも爽快感をもたらした。きっと演奏している彼ら自身が一番楽しんで、一番気持ちいいんだろうなと清々しい気持ちにさせてくれた。

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