次のステージを見据えたパフォーマンス？

ルーキー・ア・ゴー・ゴー、初日のトリを努めたのは、兵庫県姫路市を拠点に活動しているバチョウ。ボーカルの北畑欽也、ギタ—の三浦義人、ベースの伊藤知得、ドラムの高永和裕基からなる4人組だ。開演時刻の深夜3時、期待値が高いバンドなのか、ステージ前には100〜200人程度のオーディエンスが集まっていた。

演奏がはじまるとすぐに、北畑は集まったオーディエンスを左から右に眺めていき、嬉しそうな表情を見せた。フジロックという大舞台に立ち、夜の深い時間帯にまで残ってくれたオーディエンスを前にしているのだから、喜びと興奮が溢れてきているのかもしれない。声を嗄らしながら、全力投球の歌を響かせた。バンドの盛り上がりに対し、オーディエンスも負けていない。ステージ下にまで届く照明によって、その興奮した様子を見て取ることができた。

「みんなで歌った方がおもろいと思うから…」。最後の1曲を一緒に歌ってほしいと北畑が呼びかけると、歓声とともにステージに向かってこぶしが突き上げられた。良い意味でルーキーらしい、勢いと熱のある演奏で、30分の枠はあっという間に終了。オーディエンスからはすぐさまアンコールの声が沸き上がったのだが、残念ながらバチョウのメンバーがステージに戻ってくることはなかった。彼らが戻ってくるのはルーキーの舞台ではなく、ゲート内のより大きなステージということを意味しているのか。さすがに考え過ぎだろうが、そんな解釈をしたくなるのが、このルーキーステージの面白いところだ。