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Posted on 2013/07/27 02:15
  • ライブレポート
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FERMIN MUGURUZA KONTRAKANTXA

バスクの巨人、6年ぶりにあらわる

ラテン世界ではマヌ・チャオと並び立つ存在のフェルミン・ムグルサにとって、これが6年ぶりのワールドツアーとなる。彼にとっての6年はブランクではなく、サイクルとして決められていたもの。名義も変わればメンバーも変わる…そんな一面からも、彼の完璧主義者ぶりをかいま見ることができるだろう。今まではバスクの歌姫、ソルクンがコーラスで入っていたが、今回は参加していない。彼らの名誉のために言っておくが、それは決して仲違いというものではない。

バスクでは屈指の人気バンドで、ライヴもコンスタントに行っているエスネ・ベルサのメンバーを中核に据えた「コントラカンチャ」は、ストラマーヴィル(と私どもフジロッカーズオルグのWネーム)法被を着て登場した。

ソルクンら女性コーラスの存在は、いままでバンドに柔らかさを与えていた。が、今回のコントラカンチャは男ばかり、ひたすら尖っていて力強い。フェルミンをはじめ、バンドそのものがお客さんとのごりごりの打ち合いを渇望しているような雰囲気が見てとれた。

齢50ながらフェルミンのノリは若者にひけをとらず、クルクルと回ったり拳を掲げて煽りにあおる。こちらがレスポンスを返すタイミングで何らかのサインを送ってくるような細やかさもある。ステージの上から、全てをコントロールする能力が備わっているのだ。

世界の情勢を逐一見ているフェルミンは、もちろん日本のことも調べあげている。彼が何かを言うとき、その眼差しは強く、こちらを射抜かんばかりとなる。発した言葉は「原発反対」、もちろん、危険性のこともあるが、中央集権を嫌い、全ての人々に均等な権利を与えるべく行動する、という彼の思想ともつながってくる。

「トリキティシャ」と呼ばれるバスクのアコーディオンを弾くのはソラーノ、エスネ・ベルサのヴォーカルだ。いくらかしゃがれた声を持っており、フェルミンの声との相性は抜群。ラテン系ミクスチャーのマナーにのっとり、トラッドのアドリブを入れてきたりと存分に遊んでいた。前夜祭を湧かせたタートル・アイランドの面々ですらも、いちファンとなって踊り、フェルミンの一挙手一投足に酔いしれていた。パレステントの中はすでに、どこもかしこも狂乱状態となっていた。

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