深夜のルーキーを激情が包む！

深夜2時。雲のすき間から星がのぞくルーキー・ア・ゴー・ゴーのステージで、新潟上越からやって来たルーキー、My Hair is Badは聴く者の心を掻きむしるようなエモーショナルなパフォーマンスを披露してくれた。

ライブ前、ステージ中央で円になり気合を入れていた3人。1曲目に演奏した“最近のこと”では、椎木知仁（ギター＆ボーカル）が心のひだに絡みつくような熱唱をみせ、惹き付けられるようにルーキー・ア・ゴー・ゴーにはどんどん観客が集まってくる。じわじわと熱を帯びていき、ラストに向かって一気に感情を爆発させるようなバンドサウンドがなんとも痛快だ。

「新潟県上越市から来ましたMy Hair is Bad、はじまります」と短いMCをはさみ、さらに激情をかき鳴らしていく彼ら。椎木は長い髪の毛を振り回しながら熱唱し、バヤリース（ベース）はステージ上を軽快に飛び跳ねながら演奏、やまじゅん（ドラム）は繊細かつアグレッシブな手数の多いドラムを叩き、ルーキー・ア・ゴー・ゴーの熱気を加速させていく。「フジロックって、え？あのフジロック？またまた嘘でしょ」「なんでフジロックに出てるのか分からない、こんなにヘタなのに」と即興の歌詞を歌って観客を沸かせる。とっ散らかった感情をぶつけるように歌う彼らだが、曲の中からこのステージに立つ彼らの興奮も伝わってくる。

「フジロックに出られたけど、満足とか達成感とか全然ないです。若手なんでガツガツ行きます」と椎木が語ると、観客からは大歓声。初めてのフジロックのステージで、観客の心をガッチリと掴む鮮烈なライブを見せてくれた。