• HOME
  • CONTACT
Posted on 2013/07/27 15:20
  • ライブレポート
  • TAGS: /

奥田民生

ブレない男、奥田民生

“哀愁の金曜日”、”スルドクサイナラ”、”フロントのパイオニア”でさらっと始まり、ひと呼吸、「こんにちはー、ご無沙汰しております、奥田民生でーす。だいぶ昔に出てから久々にやって参りましたけど、お元気だったでしょうか?まぁ、ひとつよろしくお願いしまーす」、照れ隠しにも似たまさに奥田民生らしい挨拶で、何と13年ぶりに苗場に戻ってきてくれた。もうそんなに奥田民生と私たちの間の月日が空いていたことに驚き以外なかった。

スクリーンに大きく映し出された奥田民生のあごには髭がたくわえられ、豊麗線がくっきりと刻まれ、自身曰く「よぼってきましたけれども」というのにも多いに納得。いやいや、アナタ様がそうなれば、こちらにいる何万ものみなさんも同じ数だけお互いよぼっているのですよ。お互い、ええ年の領域に突入しているんですよなんて笑っていたら、お天道様、なぜにそんなに急に怒り出したの? と全員ビックリの土砂降りの雨と雨と雨と雷と雨の中盤へと突入するのであった。”海の中へ”どころか、こちらはまさに雨のなかへ!

この大雨に早々に移動をする人、今一度、雨具の隙間を念入りにふさいだりとステージどころか自分のあれやでてんやわんや。まだ空が明るいからわかりにくかったかもしれないけれど、まぁまぁ頻繁に空がピカッと光り、おおおっとどよめく程度の雷がドカーンと派手に荒れ出した。そんな光景を見てもさすが「こんなに雨が降るのは珍しいよ、俺は」というまさにらしいひと言で笑いが起こり、そうなれば覚悟を決めたと、思いっきり飛んだり跳ねたり踊ったり、歌ったりできないけれども、雨の奥田民生をいっしょに楽しむのだった。そんな奥田民生の発言をも待ってましたと笑顔にさせてくれるのだ。本当にブレないなぁ、この奥田民生という人は、笑。

黒と茶色、奥田民生と言えばのトレードマークのレスポールを弾く。顔でギターを弾き、ちょっと身体をのけぞってギターを弾く姿は、本人曰くよぼってきた今でも、少年そのもの。ベースにキーボード、ドラムの4人編成で太く太くなサウンドは雨音も打ち消してくれた。それぞれのソロを披露しながらジャムる具合はたまらなく気持ちいい。

いや、本当なら、カラっと晴れ渡った青空のもと、スコーンと抜ける爽快なライブを堪能する予定だったんですよ。そんななかの”さすらい”は格別なものだったと思う。でも、今日のこのレアな土砂降り、雷付きのライブも今年のフジロックを象徴するロックなひと時となったに違いない。雨に打たれるフジロックも悪くない。

SAME CATEGORY MORE

PAGE TOP