夢を見つけて、夢を叶えよう
「なにかひとつ夢を見つけて、夢を叶えよう。人生、何回感動したかが勝負だから!」ジャニス・ジョップリンの「クライ・ベイビー」を歌う途中で、夏木マリはこう叫んだ。それは会場中のオーディエンスがこぶしを空高く突き上げた、感動的な瞬間だった。
昨夜の雨で、ぬかるみが残るオレンジ・コート。今朝は雲が多いものの、青空も少し見えていて、会場は朝からビールを片手に今日の祭りの始まりを待つオーディエンスで混みはじめていた。そんな中、パーカッショニストの斉藤ノヴ、ギターのichiro、サックスの竹上良成、ベースの櫻井哲夫、ドラムの山内陽一朗、キーボード白井アキトが登場。最後に金髪に帽子姿の夏木マリが登場すると会場に歓声が上がった。
初っ端の歌は「Conne」。この曲はマリがオーディエンスに語りかけるように歌う曲だ。「なんでかわかる〜?ばーかーだーかーらー!」とすこしぶっ飛んだ歌詞は、朝いちのオレンジコートを一気に祭りモードに変えた。
だんだんと会場の揺れが大きくなってきたところで、忌野清志郎からもらった曲「神さまへ」を熱唱。それに続いて、彼女が大好きな女性シンガー、ジャニス・ジョップリンの「サマータイム」を2013年版にアレンジして歌い上げた。
前半で一番印象的だったのは、間違いなく「スワサントンブルース」だ。この曲は、夏木マリが生まれてから今までの生きざまをつづった歌。彼女の自伝のようなこの歌の中で「ジャニスの歌が歌いたいなんて言えないうちに、またキャバレー廻り。私の青春を返せー!」という叫びもあった。今は自分の好きな生き方を追求している彼女の、日々新しい自分を求め続ける姿勢をブルージーに聴かせてくれた。
オーディエンスの拍手と歓声の中、エンジンの効果音が響き、それに続いて「キャデラック」に突入。この曲はジャニスの「メルセデス・ベンツ」という曲にインスパイアされて元RCサクセションの仲井戸’チャボ’麗市が夏木のために書いた曲だ。その後も、ジャニスの「クライ・ベイビー」と「ピース・オブ・マイ・ハート」を思う存分熱唱し、オレンジ・コートのオーディエンス全員に大きな勇気と感動を与えた。
「また会いたいよ。楽しんで!」といってステージを後にした彼女。またいつか会える日を楽しみにしつつ、オレンジ・コートを後にした。
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