土曜レッドの口火を切った注目のクルー!
去年のルーキーに登場したバンドが口火を切る初日のレッドマーキー。今年は横浜を拠点に、あくまで地元の繋がりやリアリティから己のヒップホップを発するSTERUSSが登場。
「ようこそ挑戦者のライブへ!ヒップホップでレッドマーキーをロックしにきたぜ!」と2MCのひとりであるCRIME6が宣誓にも似たMCをかますと、朝イチにも関わらず集まったオーディエンスが大きく湧く。自分自身、初見だが、スチャダラパー、サイプレス上野とロベルト吉野的な大きな日本語ラップの流れ(大雑把すぎて恐縮だが)も持ちながら、ストレートに仲間との日常やナイーブな言葉が詰め込まれたリリックに、先達とはまた違う、2013年、そして横浜の彼らの日常を感じてしまった。たとえばそのナイーブさはこんな感じだ。「上を向けとは言わないから」とか「優しいヤツほど壊れるから」。そんな真面目で心根が良くて、だからこそ仲間のことをほっておけない、そんなキャラクターだ。
2DJの作り出すトラックもソウルやレアグルーヴ、ラテンのテイストを小気味良くミックス。ただ、そこは横浜のクルーのそれで、部分部分にやんちゃなスパイスも効かせてくるのが楽しい。
彼らは今回の「フジのゲートをくぐった」ことを仲間とともに祝福することを選び、まずはゲストにA HUndred Birdsでも活躍するタケウチカズタケを迎え入れ、分厚いオルガンサウンドがファンクネスを増強する。続くゲストはZZ PRODUCTIONの盟友でもあるサイプレス上野とロベルト吉野が登場!彼らの登場もあり、一気にSTERUSSそのものの存在が掴めた感じで、レッドに流れ込んでくる人は増える一方。去年のルーキーでフジ出演の約束をしたことから制作した゛マイク中毒 pt3゛を共演。おかしかったのが上野とCRIME6、BELMAC2が握手を交わした後、ビンタの応戦をしていたこと。これは彼らにしか通じない愛があるんだろうなと想像するしかなかったが。そして3組目のゲストはスプリットをリリースしているバンドATATA。元はといえばサイプレス上野繋がりのバンドだ。そしてこれは単にバンド×ラップの音楽じゃない。2DJ+2MCのクルーに生音が欲しかったから組んだワケでもなさそうだ。じゃあ何かと言えば、音楽を続けているもの同士のアティチュードが共通していたからとしか言いようがない。
「ルーキー自体、去年は1400組の応募があり、出演できる確率は0.07とかそんな数字?でもゼロじゃないなら可能性あるよな」と、去年を振り返りつつ、もう今はそこにいない、自分たちも去年競演したバンドも止まっていないと、さらなる前進を宣言したSTERUSS。ブレない野心とめちゃめちゃ熱いハートは、ジャンルで音楽を聴かない(人のほうが多いと希望する)フジロッカーズの心情にもリンク。レッドの一番手という幸運な立ち位置を度外視しても、多くの人に響くライブだった。
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