ソウル汁を絞り切れ!
フジロック二日目。グリーンステージには朝から人が集まり始めていた。演奏開始予定時間の20分も前だと言うのに、モッシュピットはすでに埋まっている。A SEED JAPANの案内のアナウンスが終わると流れ始める”田舎へ行こう”。その音楽にもつられるように、グリーンステージにどんどん観客が集まってきた。この日のトップバッターを飾るのは、6年前ルーキーアゴーゴーで初出演を果たし、ホワイトステージを経てとうとうグリーンステージに登場するザ・ボゥディーズだ。
オンタイム、スマイリー原島氏の呼び込みとともに流れるおなじみのSE、サム&デイヴの”Soul Man”がかかると一斉に観客が歓声を上げる。登場とともに純粋なロックンロールが流れる。数多のライブを経験してきているザ・ボゥディーズ。さすがに盛り上げ方を知っている。「1年間で最も楽しんで良い3日間が始まりました!」そんなMCとともに2曲目”It’s Too Late”。すでに観客はもちろん、メンバー達のテンションも最高潮でグリーンステージは篤いソウルで満たされていた。ここから怒濤のザ・ボゥディーズアッパーメドレーがはじまる。”Rock Me Baby”、”You Gatta Dance”と続けば、観客は休む暇がない。しかし、疲れなんてなんのその。モッシュピットをはじめさまざまな場所でジャンプして踊っている観客が目についた。
「いつかこういう舞台に立てたらよいと思ってました」ヴォーカルRoyのMCが始まる。「ルーキーに出たとき、ゲート(入場)をくぐって、いつか中でやりたいと思った。前回ホワイトに出たときは、グリーンステージに出たいと思ったんです。ルーキーに出演したとき、このロックンロールナンバーで俺らは行くんだ。そんな思いで演奏した曲があります。その曲を今日やらせてください」涙ぐんでいるような感慨深い表情の後に始まった曲”I Beg You”。前の3人がネックを下げたり上げたりというおなじみのパフォーマンスもしっかり再現していて、見ているこっちが涙しそうになるほどの感動がそこにはあったのだ。メンバー達の篤い思いがしっかりグリーンステージ全体に届いている。そんな印象を抱く。
ちょっとほっこりした後には完全なザ・ボゥディーズタイム。”Just Be Cool”、”Keep On Rockin’”と続き、強制的、いや完全にザ・ボゥディーズに支配された観客とのコール&レスポンスで、とうに最高潮と思われた客席がどんどん熱を帯びていく。TAXMANがメインをとる直球ロックロールで盛大に盛り上がった後は、ラストナンバー”Sing Your Song”でボルテージは終始上がり続けて終了した。
今回のフジロック、グリーンステージでのライブは、僕らにとっても特別なのは当たり前だが、本人達にとっても特別なものだったように感じる。デビューしてから爆走を続けるザ・ボゥディーズ。またフジロックのこのステージに帰ってきてくれるのを切に願っている。
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