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Posted on 2013/07/27 15:30
  • ライブレポート
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金 佑龍

ちっさいステージやけど、メインステージと思ってやるから!

サウンドチェックを終えた金佑龍が空にむかって「やめー!」と叫んだ。残念ながらその声は届かなくて、肩にあたる雨音が耳に響くくらい降りが強くなっていたけれど、カッパやポンチョを着込んだお客さんは続々と木道亭に集まってきていた。2007年cutman-boocheで出演して以来のフジロック。観る側も本人も楽しみで仕方がないのだろう。「ちっさいステージやけど、メインステージと思ってやるから!」とライヴをスタートさせた。

1曲目はフィッシュマンズのカバー「ナイトクルージング」。味と深みのある声が、天気のせいで夜のような暗さになった森の中に響くと、一気に周りの空気が変わっていく。声に引き寄せられて、視界がぐんと狭くなる経験をしたことがあるだろうか。木々の間からのぞくステージと歌しか見えないような感覚。金佑龍が歌ったこの曲には、そうさせる力があった。

2曲目からは一転、1曲目の途中から参加してきたバンドメンバーとともにオープンな雰囲気に。思わず身体を揺らし踊り出したくなる曲調、眼鏡がくもったりずり落ちたりしながら歌うどこかコミカルな容姿、ウッドベースとペダルスティールギターが作る軽快な音色。観ていたら、舞浜方面にあるテーマパークのクリッターカントリーにいるような気分になってきた。こんな天気なのに自然と笑顔がこみあげてくる。「Chime song」では、ステージぎりぎりまで前に出てきて、お客さんにもかけ声を要求。それに応えるように鳴った雷には「うるさーい!」と応戦する。カッコ良く曲紹介をしたのに、ハープを間違えてスッとはじまらない不器用さ。何もかも天然、というか、本能のままというか。そんな真っ直ぐさが伝わって、気づけばそこにはたくさんの笑顔の輪が広がっていた。

最後の「See you letter」では「長渕剛みたいに!」とこぶしを上げさせ、なぜか「贈る言葉」でコール&レスポンス。なんで!?と爆笑しつつも、関西人のオシに負けて、やったよ長渕と武田鉄矢。楽しすぎて、このまま次のBUSKERS STOPまでついていきたくなってしまった。

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