ユーモアとアイロニーに富んだレベルミュージック
雨が降りしきる夕刻、ユーモアとアイロニーいっぱいの楽曲で木道亭の観客を沸かせたのは、KARAMUSHI&FRIENDSだ。レゲエシンガーKARAMUSHIを中心に、キーボード、ドラム、パーカッション、タンバリンというアコースティック編成で木道亭のステージに登場した彼ら。まずはルーツミュージックのカバーを披露し、レインウェアに身を包んだ観客の胸をじんわりと温めていく。
そして、「ではオリジナルの曲を」と歌い始めたのは、戦争反対のメッセージを込めた反戦歌だ。さらに「これは恋人のことを歌ったラブソングです。彼女、過ちを犯しまして……」と、覚せい剤所持・使用で逮捕された某タレントのことを歌ったナンバーを続ける。これには木道亭も笑いと共に、拍手と歓声に包まれた。KARAMUSHIの歌うレベルミュージックはメッセージ性と同時にどこか楽しさがあって、聴いていると思わず笑顔がこぼれてしまう。同じアジアの仲間同士いがみ合わず仲良くしようじゃないかと歌う“ASIA UNITE”も、KARAMUSHIが歌えばとても簡単で当たり前なことに思えてしまうから不思議だ。
木道亭で足を止め、彼らのライブを見守る観客に、「こんなにカッパを着た人に囲まれるのは初めてですよ」と苦笑いしつつ、「聴いてくれてありがとうございました。出会いに感謝します」と語ったKARAMUSHI。最後は、出会いをテーマにした“Natural”を歌いライブを終えた。なんとも強く優しいアコースティックレベルミュージックが、雨の木道亭に温かな感動を広げてくれた。
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