念願の雨上がりに力の抜けたひと時を
もう今日はずっと雨を覚悟しなければならいかと思っていたら、ザーザーからポツリポツリに変わり、とうとう雨がやんだ! これだけの時間、雨が降り続くとさすがに身体にこたえる。スカッとキレイな夕暮れとはいかなかったけれど、みんなが待ちこがれていた瞬間だ。でも足元は当然茶色、空を見上げると、地面をそのまま映し出したかのような茶色になり、見渡す限りが茶色の世界へと変身した。それでも雨が上がっただけで十分なのだ。
フットワークも軽快さを取り戻しアバロンへ向かうと、ぎっしりの人ですでに満杯。MCのふたりが登場し、これからは雨が降らない予報になっていると告げると、雨のフジロックをねぎらうかのような歓声が起こった。
満杯のオーディエンスに迎えられるのは、藤原ヒロシ。今回は藤原ヒロシがギターを、INO hidefumiが鍵盤を、そしてベースとドラムにはオカモトズのHama OKAMOTOとOKAMOTO Showがステージに上がった。ちなみにOKAMOTO Showはボーカルではなく、何種類もの小さな楽器たちパーカッション担当だった。
藤原ヒロシ自身、しゃべるのはそんなに得意ではないといいながら、曲の合間にゆったりとしたペースで曲を紹介したり、いっしょに演奏しているメンバーを交えて話していくのが心地よい。「ハマ君は、親の血を受け継いでしゃべってくれると思うんですが…」なんてフリをされ、ちょっと遠慮がちに話し始めた。今日のステージでは襟のある白いシャツにデニムのパンツ、それにスニーカーという服装でベースを弾いていたHama OKAMOTOだったのだが…実は、今日、苗場に着いて、奥田民生のライブを見ていたら、あの雷雨に見舞われ、思っていたほど防水効果のない上着により、ずぶ濡れになったんだそう! 本当は苗場に来た格好のままステージに立つ予定がそうはいかず…何と何と、奥田民生が「これ着な」と言って、全身(靴下と靴に至まですべて)、奥田民生の服を借りたのだとういう! こんな服装してたっけ? と思っていたら、こんな裏話があったのだという。そう言われてみれば、あぁ、なるほど、奥田民生スタイルそのもの。
今年の秋にリリースされる藤原ヒロシのアルバムからのオリジナル曲と、ボブ・マーリーなんかのカバー曲を交互に演奏していったのだが、カバー曲の選曲センスが、オリジナル曲とぴったりリンクしていて、心地よい。雨上がりの少し暗くなった時間帯をちょっとオシャレに演出してくれたのだった。合間に演奏されたINO hidefumiが歌うINO hidefumi自身のオリジナル曲のムード歌謡要素の強い曲も妙にしっくりとステージを演出していた。アバロンという場所、そして雨上がりのこの時間帯に、ちょっと肩の力を抜かせてくれるひと時だった。
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