カオスの世界へようこそ
フィールドオブヘブンにてスキニー・リスターが終わるとほとんどのお客さんがオレンジコートへ向かっていった。そしてオレンジコートに到着すると既にたくさんの観客。オレンジコートでのライブを控えているのは、ベルリンに拠点を置くプロデューサー、ジェリジェリと西アフリカ、セネガルの民族楽器であるサバール・ドラムの伝承者達によるワールド・ミュージックグループ、マーク・エルネスタス・プレゼンツ・ジェリジェリだ。
リハの段階で、前述のサバール・ドラムの心地よい音がオレンジコートに響きわたっている。既に前の方に固まっている観客も珍しそうに見守っていた。リハが終わり一旦メンバーがはける。そして再度登場するのだが、サバール・ドラムのチューニングをしているのか、一向に始めようとしない。んん?と思い始めた瞬間一気に全員の演奏が一つになる。信じられないリズムの嵐が怒濤にせまってくるのだ。虚をつかれた観客も遅れて踊り始める。メンバーの編成は、ドラム、ベース、ギター、シンセサイザー、ヴォーカルに加え、サバール・ドラム奏者が3人の計8人構成となる。リズム隊が5人もいるのだ。しかもフロントに立つ3人のサバール・ドラム奏者達は、意味のわからない拍のリズムを叩きまくっているのだ。ドラムとギターのリズムでようやく拍を意識していられるが、サバール・ドラムのソロに入ると途端に見失ってしまう。これ適当に叩いているのか?なんて思っていると、バンド全員がしっかりとキメを合わせるのだ。そしてその上にヴォーカルの心地良いディレイの効いた歌が重なる。これをカオスと言わずなんというのか。
サバール・ドラム奏者のひとりのソロが始まる。相変わらず信じられないリズムを叩いているのだが、まず上着を脱ぎ、靴を脱ぎ、そのままパンツ一枚になる。その格好をしたままキメのところでおしりを突き出したりとふざけているようなパフォーマンスで観客を沸かせていた。さて、パンツ一枚になってもまだパンツに手をかける。そして!ああ!と思ったらまたパンツ。それを3回繰り返してようやく終わったのだ。このために3枚もパンツを重ねていたのかと思うと少し笑えてくる。曲が終わり、ヴォーカルがMCをしている横で、さっき脱いだものをもくもくと着ている姿を見た時は盛大に笑ってしまった。そんなギャグのような事をやりつつも演奏はカオスなので、そのギャップがとても楽しかった。アフロやラテン、ダヴ、テクノといった要素をふんだんに盛り込みつつ、終始リズムあそびで観客を飽きさせることなく、1時間10分の演奏を終えたのだった。
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