好きなことを好きなだけ
モードセレクターの前には、デス・グリップスがライヴをおこなっていたため、深夜のレッドマーキー、別名プラネットグルーヴでは珍しくセットチェンジがおこなわれていた。この日のレッドマーキーは日中から40分ほど押しており、深夜になるにつれてそのズレは解消されてきているが、モードセレクターが登場したのも定時をやや過ぎてからである。
ダンスミュージックが好きな人にとって、金曜日の夜はオレンジコートのオールナイトフジかプラネットグルーヴのどちらで過ごすのかという大変悩ましい問題があるのだが、この時間帯はモードセレクターを選んだ人たちがとても多いようだ。前方から後方のエリアまでしっかりと人がうまっている。ステージ上のモニターに、「Modeselektor」とアーティストが浮かび上がるとあちらこちらから歓声があがる。モードセレクターのゲアノット・ブロンザートとセバスチャン・シャーリーが登場し、「コンバンワ!Japan!We are Modeselektor ! Are you ready ?ニッポン、サワゲー」というかけ声とともに、 “Grillwalker” でキックオフ。
序盤は“Pretentious Friends”、“2000007”、“German Clap”といった自分たちの曲をかけたが、中盤以降は他のアーティストの曲も織り交ぜながらのDJとなった。ヘッドハンターの“Prototype”や、モードセレクターとの交流があることでも有名なレディオヘッド(トム・ヨークが彼らの大ファン)の“Good Evening Mrs Magpie”などをかけてオーディエンスを喜ばせた。
プレイ中にもかかわらず、シャンパン?のボトルを片手にステージを降りて、最前列のお客さんにシャンパンを振りかけるパフォーマンスがあったり、“Blue Clouds”では「みんな座ってくれ!」とレッドマーキーに詰めかけたオーディエンス全員に対してしゃがむことを要求したり、ラストには「近いうちに最新アルバムがでるから買ってくれよな!」とアルバムの宣伝までおこなうという、メンバーのふたりが好きなことを好きなだけやった、やりたい放題の90分だった。
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