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Posted on 2013/07/28 01:30
  • ライブレポート
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森は生きている

融け合う柔和と疾走

公式音源リリース音源としてはたった3曲ながら、先月の下北沢インディーファンクラブでは入場規制がかかるなど高い注目を浴びているバンド、森は生きている。フジロックの場でも例ならず、ルーキー前の一帯に人が固まっている。

サウンドは、ギター×2、ベース、キーボード、フルート&トランペット、ドラムという6人編成ならではの豊かな表情を持っている。クラシックロックの土壌をもつメロディーに、竹川のボーカルがふわりとかぶさって、アンサンブルは抱擁力に満ちた形で仕上がる。しかしその工程は既発音源とはまるで異なり、ギターのひずみや高音をふるわすトランペットなどのように若き疾走にあいまった強さも見える。「古き良き」に収まることのない姿勢は、見ている側に新鮮を与えた。

どんどんと集まってくる人に比例する形で、ステージ上の興奮も高まる。リーダーの岡田が歯ギターを見せたかと思えば、キーボードの谷口も鍵盤を破壊しかねないアクションで魅せ、音源やYoutubeで培った予備知識を根本から破壊した。

音の蓄積、柔和さ。そして演奏の荒削り――その両立が成りうるバンド、森は生きている。彼らをもう少し大きな場所で見られるようになるのもそう遠くない時間のうちではないかと思うのは、おそらく私以外にもいるはずだ。

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