あーあ、夏が去ると あーあ、あの想い出が
クリスタル・パレス・テントではウィルコ・ジョンソンが出演するとあって入場規制がかかっているなか、ルーキーステージには水中図鑑が出演した。ちなみに登場時のSEが、90年代に活躍したインディーロックバンド、アメリカン・フットボールの「Never Meant」だった。メンバーの誰かが好きなのだろうか。実に懐かしい。
水中図鑑は、桑沢デザイン研究所の同級生で結成された5人組のバンドだ。5人のうち、ギター&ボーカル、キーボード、ドラムと3人が女性という、男女混合バンドには珍しい構成だ。男女が代わる代わるボーカルをとる。彼らを語るときスーパーカーやナンバーガールが引き合いにだされることが多いようだが、メンバーがDinosaur Jr.のTシャツを着ていることからもわかるように、USインディーアーティストの影響も色濃く伺える。
歌詞に注目して聴いていると、彼らの曲では夏が多く歌われている。それも、某T●BEのように「夏だぜ!暑いぜ!騒ごうぜ!」といった内容ではなく、井上陽水の「少年時代」やはっぴいえんどの「夏なんです」の世界観にも通ずる、日本の夏に漂う気怠さや郷愁感を歌っている。「ふれるところ、ささるとげ」で歌われる「あーあ、夏が去ると あーあ、あの想い出が…」という歌詞が、宿へと向かうフジロッカーズの心に染み入る。
MCでもルーキーステージにでた嬉しさを語ることもなく、「あまちゃん…いいですよね」と呟いていた水中図鑑のメンバー。(そういえば、この日のパレスではあまちゃんの某出演者が目撃されていたけども)あまちゃんを超えるような、夏のいい想い出はできただろうか。フジロックもあと1日。
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