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Posted on 2013/07/28 02:15
  • ライブレポート
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WILKO JOHNSON

ウィルコの魂のロックンロールを胸に刻め!

深夜のクリスタル・パレス・テント、今宵はいよいよ伝説のあの熱い最高の男が登場する(前にいくら形容詞を付けても足りない!)。そう、ウィルコ・ジョンソンが2009年以来4年ぶりに苗場に帰還するのだ!
会場に到着すると、ウィルコ登場の前にザ・ホット・8・ブラス・バンドがフロアをニューオリンズからの沸き上がった熱でガンガン温めている。ホット8のステージが終わると、客がドッとステージ前方へ押し寄せる。当然の反応だ!魂のロッケンローラー、ウィルコ・ジョンソンのライヴがこれからはじまるのだから。

開演予定時刻となり何の前ふりもないまま、ウィルコを先頭に、ベースのノーマン・ワット・ロイ、ドラムのディラン・ハウが静かにステージに登場した。メンバー全員が全身黒の衣装でビシッと固めていて、めちゃめちゃタイトだ。ウィルコは音楽のみならず、そのイメージも含め色んな面でロックンロールバンドのお手本的存在なのだ。

ウィルコがのっけから狂気のギターをかき鳴らし、目を見開いてギターとアンプをつなぐカールコードを伸び縮みさせながら前後に移動する十八番のパフォーマンスを繰り出せば、ステージ前方に向けて大勢のクラウドがジャンプしたり、腕を振り上げながら押し寄せ、フロアは圧死者が出てしまうのではないかというほどの狂乱状態と化す。

「Barbed Wire Blues」の後、その状態を心配したウィルコが「みんな、一歩後ろへ下がってください」と丁寧に狂乱したクラウドをまとめる。こういう他人を気遣う優しさが本当にウィルコらしいところで、涙が出そうになった。

ウィルコのソロ作『Solid Senders』からの名曲「Dr. Dupree」で渋いパフォーマンス中にスマッシュ代表の大将こと日高正博が合流した。ステージ横から優しい眼差しで見守っている。二人の熱い友情関係がひしひしと伝わってきて、またもや涙腺がゆるんでしまう。と、気を抜いていると「Roxette」のフレーズを奏ではじめるとフロアは一気に沸点をふり切った。

もうここからは、ドクター・フィールグッドのクラシックの嵐が吹き荒れた。続く「Sneaking Suspicion」でウィルコが殺傷能力の高いギターリフをザクザクと切り刻めば、それだけでフロアは即死決定だ。ノリノリなブルーズチューンの「Don’t Let Your Daddy Know」で、フロアに向かって弾丸を乱射するようにギターをかき鳴らせば(通称マシンガンギター!)またもや押し合いへし合いする狂乱状態に。間奏部で、ウィルコの相棒ノーマンが天才的なベースソロをかます。腹にドシドシ響く低温が実に心地よい。そのままドラムのディランのソロにつなげ、フロアは満面の笑みで拍手喝采を飛ばす。「Back In The Night」からそのままラストの「She Does It Right」をぶちかました!ウィルコの魂のロックンロールが炸裂しまくり、フロアもあらん限りに腕を振り上げジャンプし汗を飛ばす。演奏を終えて、ウィルコは満面の笑みを浮かべてステージを後にした。

末期のすい臓がんという病魔をかかえているという事実が嘘かと思わせられるような、圧巻の激アツな魂の込められたロックンロールを披露してくれた。最っ高のライヴだった!病魔をおして、愛してやまない日本のためにフジロックに出演してくれたことに本当に「ありがとう!」と言いたい。いよいよ、明日28日は14:00〜グリーンステージに登場だ!声を大にして言うが、このステージは見逃し、聴き逃し厳禁だ!!

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