少人数編成の人力ダンスミュージック
雨続きの2日間を経て、フジロック3日目の昼時のオレンジコートもまたもや雨。ところが、まるで彼らの出番を待ち構えていたように、ライブが始まる直前に雨は止んだ。2006年に30人を超える大所帯でホワイト・ステージに出演したア・ハンドレッド・バーズが、今回はキーボード、ドラム、ビブラフォン、ギター、ベース、ドラムという精鋭メンバー6名による小編成で出演する。
まず、キーボードとドラムだけステージにあがり、ジャムセッションを始めた。そこへビブラフォン、ギター、とメンバーが加わることで、徐々に音の厚みを増していく。オーケストラ編成の肝となっているストリングセッションがなく、よりタイトでミニマムな演奏でありながらも、各プレイヤーの即興性の高い演奏で、ジワジワとじらすように会場を盛り上げていく。オーケストラの際には個々人の演奏に注目することがあまりなかったのだが、改めて各プレイヤーの演奏力の高さに驚かされる。
この6人での演奏は準備体操とばかりに、MC GEBO、続いて女性ボーカルのTeNを迎え、さらに客を踊らせていく。ボーカルが入ることで、それまでのストイックな演奏が、一気に大衆性を帯びる。ダン・ハートマンの「Relight My Fire」のカバーというサプライズな選曲も飛び出した。最後は定番かつ王道の「Batonga」での大団円。少人数編成でも十分に客を踊らせられるア・ハンドレッド・バーズの底力をみた。
気がつけば、空にはオレンジコートに降り注いだ雨もすっかり乾きそうなほどの太陽。お客さんもレインウェアを脱ぎ捨て思いのままに踊って汗をかいたところで、次に出演するジャザノヴァにたすきを渡した。
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