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Posted on 2013/07/28 11:00
  • ライブレポート
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BO NINGEN

日本発ロンドン経由サイケデリック行き

朝10時。最終日の三日目ともなると、さすがのフジロッカーも疲れてきているのではないか。客足は重くなるのか。そんな懸念を抱えながらレッドマーキーに向かった。結果から言えば、たくさんの観客が待っていた。3日間全ての朝一のレッドマーキーを見てきたが、この日が一番多いように思う。それほど期待値が高いということか。ロンドンのアートカレッジで出会い、ロンドンを活動拠点とする日本人によるサイケデリック・ロックバンド、ボウニンゲンが、満を持してレッドマーキーに登場だ。

「朝一発目ですし、しゃべらないで音でいろいろやります」ヴォーカルのタイゲンがそう言い放ったあと、爆音がレッドマーキーを包む。それに呼応するかのように、朝とは思えぬレスポンスを観客がする。フジロック初登場とは思えぬ堂々っぷりで、のっけからボウニンゲンのサウンドは観客を支配しはじめた。
4人編成で、ドラムの前にベースヴォーカルのタイゲン、両サイドにはギター二人。サウンドはギターの振り切ったディレイが脳を刺激し、ずっしりと重たいドラムがビートを刻む。そしてタイゲンがベースを弾き、ディレイのかかったヴォーカルで歌詞を紡ぐ。それが爆音で演奏されるのだから、朝の目覚ましどころか、覚醒にまで観客を誘導しているようだった。2曲目の”Koroshitai Kimochi”では、軽快な4つ打ちで観客を踊らせていた。音的にももちろんかっこよいのだが、メンバー全員が妖艶な雰囲気を醸し出していて、特筆すべきは、タイゲンである。歌を歌い、叫びながら、ステージを舞う。この舞うという言葉どおり、両手をぶんぶん振って舞うように踊っていたのが印象的だ。

ライブ中盤MCが入る。「ぼくらはUKから来たんですけど、今日出演するバンドの中で、もう一組UKから来たバンドがいます。サベイジスのジェニー!」」そう言ってゲスト・ヴォーカルを紹介する。突然の予期せぬ嬉しい飛び入りに観客が盛大に沸き上がる。そして演奏する楽曲は疾走感のあるロックチューン。サベイジスのヴォーカルをつとめるジェニー・ベスのコーラスとタイゲンのハイトーンボイス、そしてせまりくる轟音で、レッドマーキーは音の渦巻きに飲み込まれていくようだった。気がつけば観客で埋め尽くされたレッドマーキー。朝とは思えぬテンションで、異様な雰囲気を出していた。

イギリスのグラストン・バリーをはじめ、さまざまな大型フェスに出演してきた彼らは、さすがの貫禄で、フジロックでも自分たちの音楽をしっかりと演奏していた。この若さでこのレベルなら、今後どうなってしまうのか。活動拠点がロンドンなので、そう簡単に見れないわけだから、8月13日、代官山UNITで行われるワンマン公演を見逃してはいけない。

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