めくるめく"INDUS & ROCKS"の世界へようこそ!
日もとっぷり暮れて、ジプシー・アヴァロンは涼しい空気に包まれている。これからオフィシャルのホームページで”変態お洒落さわやかサイケデリックシャーマンポップロックJAMバンド?”と紹介されているインダスアンドロックスのライヴがはじまるのだ。上述の紹介もあってか開演をワクワクと待っている自分がいる。ステージ前のフロアはほぼ満員の状態だ。
プレゼンターの紹介を受け、バンドメンバーの3名がステージに登場した。ギター・ボーカルの黒澤次郎が登場するなり「メリークリスマス!」とギャグをかましフロアを沸かせる。フロアからメンバーへのあだ名での呼びかけが多く飛んでいるのを見ると、多くのファンがバンドのフジロック初出演を祝いに駆けつけているようだ。
黒澤がリヴァーヴやワウワウを効かせたギターワークを披露し、グルーヴ感を生み出していく。ギターとベースの一定のフレーズをループさせ、そこにタイトなドラムが加わり、大音量で放出させるとフロアから大歓声が飛ぶ。黒澤の手から繰り出されるギターフレーズは、随時変わるステージの照明の色のように鮮やかだ。フロアのクラウドを思わず躍らせるこのグルーヴ感。演奏力だけでここまでフロアを沸かせるバンドはなかなかいない。サイケ、ファンク、プログレ、ハードロックからパンクまで影響を受けたすべてのジャンルを飲み込んでインダスアンドロックス唯一無二の世界を作り出している。それでも「僕らみたいな変なやつらに、時間をさいていただいてありがとうございます」と極めて低姿勢だ。
ラストは「Fall in Love 夏の恋心」というポップな新曲を披露した。途中で不審な男が踊りながら乱入するというハプニングもあったが(最後にはその男はステージスタッフとハグをしていた)、一貫して暖かいムードの中観客の拍手喝采とともに大団円を迎えた。ライヴ後に「すんげぇ良かった!」とか「気持ちよかったー!」と叫んでいる人たちの率直な反応からいかに良いライヴだったかがお分かりいただけるだろう。
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