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Posted on 2013/07/28 18:30
  • ライブレポート
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MUMFORD & SONS

夕暮れ時、大自然を前にして

夕方、日が暮れる直前、大自然を前にして聴く音楽。マムフォード・アンド・サンズの音楽こそ、それにふさわしい。暮れてゆく夕日を静かに見つめ、深い思いにふける。思いの中から徐々にこみあげてくる熱いもの。それがだんだんと高揚してゆき、最後は速いテンポのバンジョーの音に乗ってこの大自然を駆け抜けてゆく。かれらの音楽はそんなカントリー音楽の要素を持ちつつ、それを洗練された音に乗せて聴かせてくれる、今までありそうでなかったバンドだ。

それまでの雨でグリーン・ステージの前はぬかるみになっているが、雨はすでに止んでいて晴れ間も見えていた。少し暗くもなってきた、そんな絶好のタイミングで4人はステージに登場した。

「ミナサン、ハジメマシテ。Mumford and Sonsデス。」というボーカルのマーカス・マムフォードのあいさつに続いて、1曲目に「Babel」と2曲目に「Little Lion Man」を演奏。この時点ですでに会場は大きく揺れて、みんな一緒に大合唱している。早くも彼らの日本での認知度の高さを改めて思い知らされる。さらに「Whispers in the Dark」と「White Blank Page」から「The Cave」まで、演奏する楽器やパートを頻繁に替えながら、緩急を取り混ぜた選曲でオーディエンスを飽きさせないところもさすがだ。

特に印象的だった曲の一つは、いつもは主にギターを弾いているボーカルのマーカスが、ドラムを叩きながら歌う「Lover of the Light」だ。はじめは静かな曲調だが、徐々にスピードも速くなり、曲調も高揚してゆく。そして最後はとてつもなく大きなエネルギーを放出するかのごとく、力のこもった「Lover of the Light!」という叫びで終わる歌。この歌こそ、この時間、この場所で聴くべき歌だろう。

時折マーカスが、覚えたての日本語でオーディエンスへの感謝と、日本にやっと来ることができた喜びを言葉にする。今日のマーカスは「オドリマショー!」「ミンナ・サイコー!」「ニホンニハジメテコレタノデ、トテモタノシイデス!」と饒舌だった。マーカスのたどたどしい日本語に、オーディエンスもあたたかい歓声でこたえていた。

その後も「Ghosts That We Knew」をしっとりと聴かせたかと思うと、「Roll Away Your Stone」では会場中が飛び上がって大喜び。最後はもちろん「I Will Wait」。会場中が大合唱に包まれ、ふと後ろを振り返るとこの広いグリーン・ステージの奥までみんな両手を挙げて「I will wait for you!」と歌っていたのには本当に驚かされた。

世界中から愛されているマムフォード・アンド・サンズ。彼らの魅力を十分に堪能できたまさに「ツー・サムズ・アップ」なステージだった。彼らの初来日を目撃するために苗場に来た人たちも、初めて彼らのことを知った人たちも、この晴れた夕方に大自然の中彼らの音楽を聴くことができた喜びをかみしめていた。

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