これぞフジロックならではのバンド
西アフリカはマリからやってきたバセク・クヤーテ・アンド・ンゴニ・バ。フジロックでは、金曜夜のクリスタル・パレス・テント、土曜昼のアバロン、土曜深夜のピラミッド・ガーデン、そして日曜夜のオレンジ・コードと毎日どこかで演奏を繰り広げており、事実上フジロック大プッシュのバンドと言える。
雨も上がった最終日の夜、いよいよ彼らの最後のステージが始まった。オレンジ・コートには西アフリカの伝統弦楽器ンゴニの美しい音色、優しさの中に力強さを備えた歌声、そして体の芯から揺さぶってくれる伝統打楽器の音が鳴り響く。
バセク・クヤーテの奏でるンゴニのプレイ、特にソロなんかは、まるでロックを聴いているかのようでアフリカ音楽をまったく知らなくてもスッと体に入ってくる。世界には、本当に様々な音楽があることを体験できる場所がフジロックなのだと改めて感じた。
今回メンバーは6人で、バセクの妻、2人の息子、兄弟、そして甥といった親族で構成されていることもあってか、彼らが生み出す音は、聴く人を優しく包み込んでくれるような温かい雰囲気を持ち合わせている。また彼らのステージを見ていると、楽器そのものの音色や歌声の美しさに酔いしれたり、リズムにのって踊ることの楽しさを純粋に感じたりと、音楽を楽しむ原点に返ることができたような気がする。
最後に、マリという国のことについても少し触れたい。
最初のMCで、「私達の国は少し問題があるけど、それは良くなってきている」というような話があり、少しほっとした。なぜなら、マリの一部の地域では音楽が禁止されている、という話を聞いていたからだ。その内容はあまりにもショッキングで思わず目をつぶってしまうほど。違反行為が見つかるとミュージシャンは腕を切り落とされるというのだ。
しかし、今回のステージの最後に、「来年はマリでフェスティバルを行う予定」と話していてるのを聞き、改めて情勢が良くなってきていることがうかがえた。
バセク・クヤーテ・アンド・ンゴニ・バとの出会いは、伝統楽器を使ったマリの音楽の魅力を知るだけなく、遠く離れた国で何か起こっているのかについても知り、考えさせられるきっかけとなった。
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