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Posted on 2013/07/28 23:00
  • ライブレポート
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LETTUCE

ズブズブどファンクで締めくくり

最終日、最後の最後のこの時間、フィールドオブヘブン枠では、毎年素晴らしいバンドによる演奏が繰り広げられてきた。そして毎回長時間のセット。この枠のファンも多いのではないだろうか。記憶に新しい2008年、やはりこの枠で登場したのはレタスだった。その時も最後の最後まで観客を離さず、全てが終わるまで観客も半ば意地になって見ていた。そんな思い出と本日を迎えたワクワクを胸にフィールドオブヘブンへと足を向けた。

ギタリスト、エリック・クラズノを中心にバークリー音楽大学時代の仲間たちが集まった8人組のバンド、レタス。がっちがちのファンクバンドだ。「ここにこれてうれしいです」といいつつ始めから、軽快だけどずっしりとしたリズムのファンクがフィールドオブヘブンを包む。この時間にこの場所に来る観客というのは、わかっている。既にレタスの空気が満たされていた。ライアン・ゾイディス(Sax)やエリック・ブルーム(Tp)、ジェイムス・ケイシー(Sax)による完成されたホーンセクションは、観客のダンスに拍車をかけているようだった。特にエリックの奏でるトランペットが耳の奥に入るたびに、目の覚めるような感覚。第一部が終了する時に観客にウェーブさせるなど、終始楽しい雰囲気だった。

小休憩をはさんで、第二部。「Where are you from?(どこからきた?)」とメンバー間でMCが始まる。それに対し「Ha? Ha? Ha?」と必要以上に聞き直して、何か言い合いになっているなと思ったら、いつの間にかそれがカウントに変わり、曲に入るという、視覚的に楽しいパフォーマンスを見せてくれた。そしてちょっとの休憩で元気をとりもどした観客。またズブズブのどファンクがフィールドオブヘブンを支配し始めると、最初よりも元気なんじゃないか?と思うほどの盛り上がりを見せた。ホーンセクションのメロディラインを大声で歌う人。周りを気にせず縦横無尽に踊る人。椅子に座ってゆったり揺れている人。さまざまな観客が最後を惜しむように、自由にレタスに身をゆだねていた。楽しい音楽が終わりに近づいている。

アンコール。止まない拍手の中、再度メンバーが顔を出す。時間いっぱいまで楽しみたいのはメンバーも同じで、アンコールでもハイクオリティーなファンクを聞かせてくれた。ジェームス・ブラウンのカバーが飛び出すなど、最後の最後まで観客を楽しませてくれた。これで終わりかと思ったら、そうでないのが、この枠である。ダブルアンコール。結果的に延べ3時間にも及ぶ長いセットで終了した。毎年のことだが、この終わりの瞬間が好きだし嫌いだ。この3日間、大いに楽しんだ記憶が、フラッシュバックしてとても楽しい気分になる。そして楽しかったと心から言える。しかし、終わってしまったという心の何かが一つ無くなってしまったような寂しい感覚に落ちてしまう。レタスが終わって間もなく、観客はグリーンステージ方面に流れている。まだ向こうには音楽が流れているからだ。レタスによる3時間の魔法は終わったばかり。まだ時間はある、音楽のある方へ。そう思っているのは僕だけではない証拠に、フィールドオブヘブンとホワイトを繋ぐ道は長蛇の列だ。

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