痛快なロケット発射!
さて、フジロックも最終日。数あるステージの中でも、レッド・マーキーは打ち上がるためのクライマックスを迎えようとしていた。朝日を迎えるまでの不夜城、ダンス耐久レースが始まろうとしているのだ。そしてまず耐久レースの口火を切ったのは、シーナ&ロケッツだ!
ロケット発射をほうふつとさせるカウントダウンSEが大音量で鳴らされると、ロケットスタートの瞬間にレッド・マーキーに集うお客さんのアドレナリンが一気に大放出状態!大歓声の中登場したのは、ギターの鮎川誠、ベースの奈良敏博、ドラムの川島一秀。「フジロッカーの仲間に入れて、最高です。」ギターの鮎川がこう語ると、なにかを渇望するようなガリッガリのギターサウンドで始まったのは”ダイナマイト”に”ホラ吹きイナズマ”!35年間不動のメンツで生み出されてきたグルーヴのトガり具合といったら、ハンパ無いのだ、これが。
そして不動のメンツの最後の一人、シーナが呼び込まれる。シンボリックな超ミニのド派手ワンピースにしどけなく革ジャンをはおり、手にはもちろんタンバリン。開口一番、「やっぱりフジロックは世界一よ。」とお褒めの言葉を頂いて、フジロッカーズも大歓声。そのままキンクスの”ユー・リアリー・ガット・ミー”のカバーになだれ込む。
その後も”ハッピーハウス”に”ロックの好きなベイビー抱いて”と、キラー・チューンが目白押し。演奏前後にはシーナがマイクごしに投げキッス。そして「がんばれニッポン!」と叫ぶと、”ジャパニック”が演奏され始める。東日本大震災以降、物事の見方、価値観が大きく変わったとシーナは言う。1989年に作られたという曲が、今よりリアルな響きを持つようになってる、と語って演奏され始めたのは、”レイジー・クレイジー・ブルース”。そして派手なトドメは”レモンティー”。
「ロケッツ最後の曲よ。みんな、愛されていいのよ。そして、楽しんで頑張るのよ。」
シーナがこう語ったあとに演奏されたのは、”ユー・メイ・ドリーム”。曲の中でシーナがリフレインする言葉は「ゆめ、ドリーム」。レッド・マーキーにこの言葉が満ちるのを聴いた。そして来年また苗場に笑顔で来られるように、これからの一年間に、この言葉を胸に刻みつけておこうと思うのだ。
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