ブルースの魂をロックンロールに乗せて
グリーンステージで行なわれているザ・キュアーのライブも佳境にさしかかっているであろう、フジロック最終日の深夜0時。ルーキー・ア・ゴーゴーのステージでは、今どき珍しくブルースに影響を受けたというモンスター大陸が悠々と登場してきた。
ブルースハープの千賀は青い短髪でサッカー日本代表本田のような関西のいかつい風貌だし、ギター&ボーカルの藤倉は昭和の文学青年のような出で立ちだ。なんかよくわからないが大丈夫なのかと不安になったのもつかの間、ライブが始まるとこれらの印象が一気に吹き飛んだ。
小雨が降り始めたなか、千賀のブルースハープで始まるロックンロールのインストからスタートしたライブは、藤倉の見た目とは裏腹な骨太で少し歪んだボーカルが乗った曲へと続いていく。千賀はバンドの音の中心となるハープを吹きながら、身体をくねらせステージ上を激しく動き回り、人懐っこい笑顔で観客を煽る。若いながらもメンバー各自1000以上のセッション経験を持つというだけあって、演奏力の高さは圧倒的だ。安定感あるリズムの上を千賀のブルージーなハープが自由にうねり、次いでギターの藤倉もベテランさながらのギタープレイを魅せる。曲中でメンバー紹介と各自のソロプレイを挟むあたりにも演奏力への自信を感じさせるし、それを見守る他のメンバーの表情からはメンバー同士が互いに尊敬し合っているような様子もうかがえた。
ロックンロールを鳴らせ続けた30分間のライブの最後をしめたのは、やはりブルース。「最後にぼくらのルーツ、ブルースに敬意を表して、大好きなバディ・ガイの曲をやって締めたいと思います」と、”Let Me Love You Baby”を演奏し、笑顔でステージを後にした。
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