contact
home

7/25 FRIGREEN STAGE

THE LUMINEERS

ネオ・フォークの急先鋒は意外とエクストリーム!?

いきなり大ネタいいですか?フジロックの歴史の中でもグリーンのPA屋根上(イントレ頂上)で演奏したミュージシャンなんていなかった!ザ・ルミニアーズが観客巻き込み型・参加型のライブをするのは知っていたけど、バスカーというにはエクストリームすぎる(笑)。

正午を過ぎてますます強くなる陽射しに出足は好調とは言えないものの、外国人のオーディエンスが目立つ客層でモッシュピット(この言葉、似合わない…)が埋まりはじめると、オンタイムで壮大な映画でも始まりそうなSEに乗せて、勢いよくメンバー登場。5人の息を合わせるように始まったのは、”submarines”。ウェスリーの腰のある声が空の彼方まで伸びていく。立て続けに紅一点のネイラがコーラスでフロントに立ち、”Stubborn Love”。4曲目には早くも代表曲”Ho Hey”が披露され、誰でもわかる”Ho!”と”Hey!”を叫ぶだけで、こんなに自分も音楽の一部になれるのか!と、シンプルに感動する。

さらに楽しいのは、メンバーが楽器をどんどんスイッチしていくところ。いかにも古そうな彫刻が施されたアップライトピアノを弾くステルスは、マンドリンも担当、ドラムのジェレマイアはピアノも弾けるという万能ぶり。中盤にはウェスリーとネイラのデュエットを軸にした、少し50sっぽい新曲も演奏したのだが、どんな編成でも映画の一コマを観ているような、堂々としたパフォーマンスは、意外だったが頼もしかった。しかもその明るさがとても自然だった。

そして終盤に向かって、観客の中に入って演奏するとは聞いていたが、ウェスリーとジェレマイアはモッシュピットの中へ、そして大ネタの主、ステルスはなんとPAの屋根の上でアコーディオンを弾いている!しかも2曲演奏して、そのまま誰にアテンドされることもなく芝生を走ってステージに戻ったのだから、本日のMVPを差し上げたい。そして敢闘賞には、ネイラが持つトイピアノをさらっと弾いたジェレマイアの愛嬌、だろうか。

それにしても全員がフロントマンみたいなバンドだ。アメリカというルーツ・ミュージックの宝庫から、隔世遺伝的に登場したネオ・フォークの旗手たちは、そんな形容はどうあれ、体ひとつでその場にいる人たちと音楽そのものになれることを証明してくれた。今日はまだまだ大友さんしかり、参加型のライブがたくさんある!なんだか今年のフジロックのひとつのキーワードなんじゃないかという気がしてきた。

SAME CATEGORY

page top