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7/25 FRITHE PALACE OF WONDER

NARASIRATO

感動の色一色に染まった苗場の夜

会場を思いっきり温めたカリビアン・ダンディーのバトンを受け取ったのは、2010年以来4年ぶりのフジロック出演となる、南太平洋はソロモン諸島出身のパン・パイプ・オーケストラのナラシラトだ。そのステージの素晴らしさはよく耳にしていたが、実は個人的に初見ということもあり、今回のフジロック出演者の中でも最も観るのを楽しみにしていたアクトの一つだ。

竹製の楽器から奏でられるメロディはじんわりと染み渡り、叩き込まれる激しいビートも心躍ると同時に妙にスッと胸の内に入り込んで来る。新鮮だが、妙に懐かしいようなそんな感覚におちいった。歌声が完全に楽器の一部と化し、流れてくるフレーズのあまりの優しさに思わず涙が出そうになる。フロアはのっけから最高潮で、苗場におなじみ男のギャズ・メイオールをはじめ、この場に居合わせた全員がナラシラトの音を全身に浴び、喜々と踊りまくっているのだ。彼らはそれにサービス精神旺盛応え、立て続けに何曲も披露してくれる。

本ステージのハイライトは、やはり先日リリースされた新譜『イノニ・アナ・トトラハ(Inoni Ana Tororaha)』に収録されている、”Mount Fuji”だろう。愛するフジロックの、そして苗場のために届けられたこの楽曲。「Mt Fuji, Mt Fuji, Naeba I love you」(この曲には何とその日本語詞も含まれている)という最高のフレーズをみんなで歌い上げ、笑顔でダンスする。この最高の一体感。ほんとに生きていてよかったと、お互いに幸せを共有できるのだ。これこそがライヴの醍醐味であり、音楽の最高に素晴らしいところである。

フジロック初日の苗場の夜を感動の色一色に染め上げてくれたナラシラトは、明日、オレンジ・コートと苗場食堂に出演予定だ。ぜひとも足を運んで”Mount Fuji”をみんなで大合唱し、最高の時間を共有してほしい。

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