FANFARE CIOCARLIA
世界最速最強は伊達じゃない
ホーンの音はなぜこんなにも人を狂わせるのだろう。
初日のカフェ・ド・パリ、トリを務めるのはルーマニアからやってきた炎の男たちFANFARE CIOCARLIA(ファンファーレ・チォカリーア)。そろそろ日の落ち始めた奥地、何かに呼ばれるように続々と集まってきた、踊りたくってうずうずしていたフジロッカーズを音の波動で存分に揺らせたのだった。
真っ赤と黒のシャツに身を包み、バスドラのリズムに呼び込まれるようにひとりひとりステージにあがってきたメンバー。歌詞は英語?ルーマニア語?何を歌っているのかはわからないけれど、楽しいってことだけはわかる。それだけで十分だ。「世界最速最強のジプシーブラス・バンド」の異名をとるにしてはゆったりしたスタートだなーと思っていたら、いやいやいや。あっというまにスピードアップして目にもとまらぬ早さで楽器を操り始める。ステージ上の11人が繰り出す音の波にのまれて、飲んでないのに酔っぱらいそうだ。でも、ただ早いだけではないのが彼らのライブの面白いところ。一定のリズムに乗って情熱的にサックスが吹き鳴らされるような曲もあり、緩急の妙も楽しめる。ここで一息つけるからこそ、また次のスピードにのって走っていけるのだ。
後方に目を向けると、イスに座ってまったりしていた人も立ち上がってライブに参戦し始めた。そして、自由気ままに踊る人、人、人。何の規則も型もなく、自分の気の向くままに手を振り腰を振る。おそらく普段はみんな会社員とかなのだろう。その人たちが何の迷いもなく振り切れたパフォーマンスを見せるのだから驚愕だ。音楽とは人を開放するものなのだ、ということを改めて実感した。
途中、セクシーなベリーダンサーが登場したり、後半にはおそらくこの会場のポールダンサーもステージに飛び入りしたりして、盛り上がりも佳境。メンバーのお手本にあわせてみんなで一斉に手を降ったときの一体感はちょっと感動ものだった。ステージにいるメンバーだけじゃない、お客さんも一緒にライブを作っているのだ。バンドとフロアの距離が近いカフェ・ド・パリだからこそ、そんなフジロックらしさが感じられた瞬間だった。
最後、メンバー紹介と「ありがとう!」という言葉で一度はそでへとはけた男たち。興奮覚めやらぬお客さんの熱に応えるべく、再びステージへと戻ってきた。いつまでも終わらないような夜を繰り広げたFANFARE CIOCARLIA。明日はオレンジコートに登場する。
posted on 2014.7.25 19:00
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