今年のフジロック初日、レッドマーキーのトリを飾るのはザ・バースデイ！すっかり苗場にお馴染みの4人がステージに姿を現すと、レッドマーキーに押しかけたオーディエンスは早くも大熱狂。みな、最強のロックンロールを全力で迎え撃とうと手ぐすね引いて待ちわびているのだ。”くそったれの世界”で口火を切ると、オーディエンスがコーラスを大合唱。「とんでもない歌が 鳴り響く予感がする」――チバユウスケが歌うこの曲に、フロアの期待は否が応にも高まっていく。あの歌声、あのリズム、あのギターが、目の前で唸りを上げているのだ。血が沸かないはずがない。

続く”LOVE GOD HAND”ではゴリゴリのバンドアンサンブルで攻め立て、”Buddy”でレッドマーキーを享楽の果てへと誘う。大ハンドクラップに迎えられた”カレンダーガール”でフロアを完全に制圧すると、「ザ・バースデイです、どうぞよろしく」と短いMCを挟んで”SAKURA”へ。序盤は今年5月にリリースしたアルバム『COME TOGETHER』収録曲を中心に、最新モードのザ・バースデイが鳴り響いていく。

「やあ！フジロックに来ると、ダンゴムシが（ステージを指さして）ここを歩いてたり、蛾がいっぱい飛んできたり。……なんかわかんないけど、仲良くなれるね」。そんなチバのMCにオーディエンス全員の頭に「？」マークが浮かんだところで、突如ミラーボールが周り、”Red Eye”に突入。チバはハンドマイクで歌い上げ、フジイのギターとヒライのベースが壮絶な掛け合いを見せる。そこにチバがブルースハープで乱入し、クハラのドラムがすべてをかっさらっていく……この4人でしかあり得ない痺れる展開に、レッドマーキーは再び大熱狂に包まれる。もうみんな「？」マークなんてすっかりどこかに吹っ飛んで行ってしまった。

続く”星の首飾り”も『COME TOGETHER』のナンバー。彼らならではのソリッドで攻撃的なロックンロール・チューンがオーディエンスの歓喜をどこまでも加速させると、大ハンドクラップに迎えられた”なぜか今日は”、フロア中でシンガロングが巻き起こった”さよなら最終兵器”と畳みかける。喋る間も、チューニングする間も惜しむかのように攻めて攻めて攻めまくるザ・バースデイ。フロアの期待を丸ごと受け止め、ものの見事に投げ返すように豪快で、そしてバンドとオーディエンスとの深い信頼を感じさせるステージだ。

オーディエンスからの止まないアンコールに応えて再びステージに登場すると、ラストに”COME TOGETHER”を披露。COME TOGETHER――うん、どこまでもこのバンドを追い続けてやる。そんな気持ちを改めて強く噛み締めた最高の夜だった。