Potlucks
注目されるの、遅くない?
フジロック最終日。パレス・オブ・ワンダーでのライブも折り返し地点。体の芯まで凍り付くような寒空の下登場したのは、東京出身の4人組バンドPotlucksだ。
ネットで検索しても大した情報は出て来ない。プロフィール欄を見ても、自分たちの事は殆ど書かずに好きなバンドをスペース一杯に羅列した後、「よろしくね!おっきな音できいてみてね!」の文字。一体どんなバンドなのだろう?と思った方もいるはず。
失礼ではあるが、ㇲテージに立ち、楽器を持つまではただの冴えない印象の4人組に見えた。しかし、「来た!フジロック!」の声と共に始まった曲のイントロが始まった瞬間、その印象はがらりと変わる。バカでかい音に、フェイバリットの挙げているバンドからも想像出来るよう、UKオルタナを彷彿とさせるサウンド。どこかひねくれていて、懐かしさを感じる雰囲気。全く飽きの来ない短い曲の中での自然な形で変わっていく曲調。ボーカルの哀愁漂う佇まいや気の抜けるような声もかっこいい。
「来てくれてありがとう。それでは、最後の曲、聴いてください。”おれは死んだ”。」
そうあっさりとMCで告げられた衝撃的な曲のタイトル。そしてすぐさま鳴らされる切なくて物寂しいメロディー。他の曲にも言える事なのだが、このバンドは曲の中での時間の使い方が本当に上手いバンドなのだと思う。
彼らの音楽性に驚かされ、魅了された人も多かったのか、ライブ後、ダウンロードリンク付きカセットテープを購入している人の姿も多く見られた。
ルーキー・ア・ゴーゴーに出演しているバンドには、ライブ後インタビューを行うのだが、ライブ情報などを尋ねると、「俺ら、あんまり活動してないんですよねー…。」と言う。こんなに素晴らしいセンスを持ち、それに見合った厚いサウンドを兼ね備えているのに勿体無い!もっと精力的に活動して、色々な人に見て欲しい!と、素直にそう思ってしまった。2009年結成し、それから5年経過した今、注目されるのが遅すぎる気すらしている。来年は是非、フジロックのメインステージで大きな音を鳴らしている彼らを見てみたい。
posted on 2014.7.28 01:00
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