THE YOUNG PHILADELPHIANS
ジャンル分け不能な音世界
日も暮れかけて日中の暑さが和らいできたなか、熱心なファンが見守るオレンジコートではザ・ヤング・フィラデルフィアンズの準備が粛々と進んでいた。公式サイトのアナウンスではギターのマーク・リボウとメアリー・ハルヴォーソン、ベースのジャマラディーン・タクマ、ドラムのカルヴィン・ウエストンの4人編成となっていたが、セットを見ると何人かが追加されているようだ。一体どんな編成でどんなライブが行われるのか期待が膨らんで来た。
定刻を少々過ぎたところでメンバーが登場。追加のメンバーは3人の日本人のストリングス隊だった。始まってまず感じたのは低音の音圧がとても強いこと。今日の前の時間にほぼ同じ位置で別のアクトを見ていたが、音圧の強さがぜんぜん違う。着ている服が音圧でビリビリと震えているように感じた。
60~70年代のソウル/ファンク調のリズムで始まり「フィラデルフィア・ソウルの躍動感に敬意を表して作られたバンド」というフレーズの通りのライブとなるかと思いきや、マークが突如それまでとは全くテイストの異なるフレーズを引き出すと、まるで急に別の曲を演奏し出したかのように音のテイストがガラッと変わる。フリージャズといえばいいのか、サイケデリックといえばいいのか、ファンクといえばいいのか、単純に従来のジャンル分けがし難い音が鳴らされていた。
音のテイストが変わるタイミングではほぼ必ずと言っていいほどバンドマスターであるマークが他のバンドメンバーに対して視線を送ったり手で合図をしたりと何かしらの合図を送っているようだった。おそらく今回の来日のみの一時的なメンバーだと思われるストリングスの3人はマークの送る合図を見逃さずついていくのにとても苦労しているように見えた。
持ち時間よりやや早めに演奏が終わり、マークがステージを去り他のメンバーも下がろうとしたところ、熱心なアンコールのお陰かさほど間を置かずにマークがステージに戻ってきた。その時ストリングス隊とスタッフが慌てふためいているように見えた。想定外のアンコールだったのだろうか。アンコールの演奏が終了後、メンバー全員がステージ前に肩を組んで並び笑顔で歓声に応えてステージを後にした。
このマーク・リボウ率いるザ・ヤング・フィラデルフィアンズは今日の演奏終了後、名古屋、東京、大阪にて単独公演を行う。気になった方、今日見逃したけど興味があるという方は足を運んでみてはどうだろうか。
ザ・ヤング・フィラデルフィアンズ単独公演 詳細
http://www.toms-cabin.com/YoungPhiladelphians2014/index.html
posted on 2014.7.25 19:10
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