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7/25 FRIFIELD OF HEAVEN

Moe.

天国に近い場所でジャムを

20時ちょっと前、フィールド・オブ・ヘブンには、まばらではあるが、確実に人が集まり始めていた。フジロック2014年初日のフィールド・オブ・ヘブンのとりを飾るのは、ジャムバンド界では知らない人はいないであろうモーの登場だ。

25年間に渡り、第一線を活動し続けているモーであるが、通算11枚目となる『ノー・ガッツ、ノー・グローリー』を引っさげての登場となる。また2010年に同じくこのステージのとりを飾ったことも記憶に新しい。そのときのモーを体感し、また音楽を浴びにきている観客も多いのだろう。リハを見る観客たちから期待感が伺える。

20時を少し回るとき、ついにメンバーが顔を出した。涼しいヘブンに観客の歓声が響いた。MCも何もなく一曲目が始まる。ベース・ボーカルのロブ・ダーハック、ギター・ボーカルのチャック・ガーヴェイとアル・シュナイアーのフロント3人による美しいハーモニーが鳴り響くとヘブンの空気がパッと変わった。その空気に誘われるように、観客たちは自由に踊りだしたのだ。曲はミドルテンポのダンサブルな曲でゆったりした印象なのだが、よく聞くと音符が細かく刻まれているのがわかる。16分の倍の倍で感じながら演奏しているのではないかと思うほど、リズムやリフに遊びがあるのだ。またそんな細かいリフをユニゾンで演奏したり、変拍子のキメなどもきっちり合わせてくるところが、ベテランならではの貫禄だろうか。ときおり見せるロブの笑顔が印象的だった。

ジャムバンドとジャンル分けされるバンドの曲は、一曲がとても長い印象がある。中だるみするバンドも多く見られるが、モーは違う。曲調やリズムを巧みに操り、観客を終止踊らせるのだ。気がついたら1時間が経過していて(この間メドレーなどで繋いでMCはたったの1回だけ)、「15分の休憩だよ」と言い残し、第一部が終わった。

「楽しんでる?僕たちはここが好きなんだ」
そういって第二部が始まった。第一部同様、巧みなジャムセッションがまた始まる。観客数は少なめ。一人一人の空間が広く、それぞれがゆったりと揺れながら踊っている。パーカッションのジム・ローリンとドラムのヴィニー・アミーコのリズム対決があったり、各パートのソロ回しがあったりと、とにかく休む暇の無いライブだった。結果アンコールを含め、3時間半の長丁場のライブとなるのだが、観客たちは疲れた様子もなく、メンバーたちが去った後も余韻に浸るように、その場で踊り続けていた。

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