THE WATERBOYS
結成31年、初来日であるベテランバンドの実力を発揮
「暑い」ということばを口にするのも嫌なくらい晴れて日差しが痛い苗場。2日目グリーンステージの一番暑い時間帯にザ・ウォーターボーイズが登場した。結成31年にしてバンドとしては初めての来日である。本国などでは評価が高いけれども、なかなか日本に来ないので、日本での知名度はいまひとつ。正直、始まる前のステージ前は寂しいものがあった。
ほぼ定刻通りバンドが登場する。中心人物であるマイク・スコットは、帽子に紺ぽいジャケット、白いパンツという出で立ち。顔にしわが増えても体型のスリムさは保っている。まずはステージ上手にあるキーボードの前に座り、「ザ・ホール・オブ・ザ・ムーン」から演奏が始まる。ベース、ドラムス、ヴァイオリン、キーボードという編成。ヴァイオリンは80年代中盤あたりからの付き合いであるスティーブ・ウィッカムである。
そして2曲目からマイク・スコットはギターを手にして荒々しいリフからヴァイオリンも合わせていく「ウィ・ウィル・ノット・ビー・ラヴァーズ」。バトルを繰り広げているようなギターとヴァイオリン、そしてそれを支えるドラムとベースが強靭なグルーヴを作り、CD以上に激しい演奏を生み出していった。アコースティックギターとヴァイオリンで掛け合いをおこなったり、スティーヴとキーボード奏者とマイク自身が仮面を付けたりと、ステージのうえでみせる演劇性も高い。アイリッシュに根差し、カントリー、トラッド、ブルースを消化したマイクが作り出す音楽は、激しいながらもどこかクールでグリーンステージ後方にたくさんあるキャンプ用の椅子で聴いている人たちも心地よく聴き入ることができたのではないだろうか。
最後は「フィッシャーマンズ・ブルース」。マイクとスティーヴは何度かターンを決めて、それをお客さんたちにも促し、モッシュピットの人たちの多くがくるくる回転していた。昼下がりにふらっとやってきて、お客さんたちの心をさらっと掴んでいくのは、さすがにベテランバンドである。
posted on 2014.7.26 14:00
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